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ラムの目の作画



originalnews.nico

 

この記事は2018年1月の記事なのだが、
この2020年6月に再度掘り出されて、
一部で話題になったらしい。

2ページ目の終盤で、
ラムに少し言及されているのだが、
「白目がいっぱいある」というのがその論旨だ。
白目がいっぱいあることが、ラムを
情念的でワイルドで、
意思がわかりやすいキャラにしている、
というのが山田氏の主張である。

うる星やつら」において、作風的に
ラムの黒目がずいぶん小さくなった時期があって、
コミックスでいうと27巻辺りがそうだと思うのだが、
パラパラと眺めてみると、
この頃の作画にはぽつぽつと
「立体的」な絵があることに気が付く。
例えばPART-10の「水着ラプソディー」の
最初のコマがそうなのだが、
この絵のラムの配置、またラムのポージングは
現代のHD/ハイビジョン対応のアニメのような、
じっくり見るのにも対応する、とてもいい絵だと思う
(運動靴が実にフェティッシュだ)。

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あえてスキャンせずに簡単な撮影としているので、 できればご自身で読み返してみてほしい

小道具や造形、カオスな感じで
SFっぽさを醸し出していた
うる星やつら」初期と比べると、
こういった作画の妙で、
ワクワクさせるような演出ができるよう、
工夫なさっていたのではないか、と思う。

立体的な絵を創造していく中で
キャラの視線の向きが
その絵の重要な要素となることを踏まえ、
より視線がわかりやすくなるような
「白目がいっぱいある」絵と
なっていったのではないだろうか。

27巻のエピソードが少年サンデーに掲載されたのが
昭和60年頃である。
アニメ版は翌昭和61年までやっている。

山田玲司氏がデビューしたのが1986年(昭和61年)
とのことで、時期的にはこの頃の「うる星」が
印象に強いのではないかなぁ、と思うのだが
どうだろうか。

ちなみに、コミックス1巻も読み返してみたのだが
ラムの白目の多さ、というのは特に感じなかった。
もちろん、ギャグ漫画の流れを汲む
そういった作画はあるが、ラムのキャラクターを
形作るようなそれは認められなかった。
ラムが宇宙人であることから、
爬虫類の目のような、すぐに異種であると認識できる
黒目の小ささを描いているかと思ったが
あまりそういうことはなかった。

だからあまり「ラムというキャラだから」というのは
関係ないような気がする。