先週、古いアイテムを掘り出したことで
アニメ「うる星」初期のほうへ
意識が行ってしまったのだが、
実は、実はもなにも僕は、
アニメ以降のるーみっくファンである。
だからアニメ化にあたっての、
原作ファンの動向などはわからないのであるが、
そんな僕でも、
原作とアニメを見比べることによって
なんか違うな、と思っていたことはある。
「うる星」が
キャラの力で牽引された作品であることは
ほぼ間違いなくて、
多数の美少女キャラが出てくることからも
「俺は〇〇派」
「いや俺は□□のほうが」
という情熱は、
アニメ以前のファンの中にも
あったに違いないのだが、
アニメで改変されてしまったキャラのファンは
どういう気持ちだったのだろうか。
顕著なところでは、おユキの髪である。
言うまでもなく原作のおユキの髪は氷でできていて、
透明で硬質な質感で描かれているのだが、
アニメでは薄紫の髪の「毛」となっている。
雪女というモチーフから考えると
これは冒涜クラスの改変なのだが、
1981年当時のアニメ制作環境から考えれば
氷の質感を書き込めというのも酷な話である。
致し方ない改変と言えるだろう。
髪の色といえばランも、
原作とアニメでは雰囲気が違う。
原作でもカラーでは確かに、
ピンク系の彩色がされているのだが
スミ一色の本編において、
ランの髪は黒ベタとされており、
特にハイライトの描写もないことから
「黒髪の美少女」と捉えて
ファンになった方もいらっしゃるだろう。
アニメのほうの言い分もわからないではない。
フリフリの衣装を着た巻き毛の少女が
黒髪というのでは、どうにも解釈が難しい。
ピンク髪にしたほうがわかりやすい。
もしかしたら原作者に
お伺いを立てたかもしれないし。
ただ、黒髪のランというのも
なかなかに味わいがあると思うのだ。
そして、原作においてランが黒髪だったのは
必然があったからだと思うのだ。
日本人的な奥ゆかしさであるとか、
髪を染めるようなことはしないタイプだとか、
しかし怒った時には
深淵の吸血鬼のような重厚感があるとか。
昔の漫画で描かれる「スケ番」の中でも
義理人情に厚くて操を立てるタイプは
なぜか黒髪だったものだが、
そういう雰囲気も感じさせる。
もっとも、そういう役どころとしては
弁天がいるので、
カブってしまうのを避けた、ということも
あるのかもしれないが。
とまぁそういったことから、
当時のランちゃんファンは
結構違和感を感じたんじゃないかなと思うのだが、
今となっては昔話である。
ところでこの記事を書くために
コミックス2巻の「お雪」を読み返したら
めちゃくちゃ名作だったので、
次は「お雪」を取り上げます。