僕はるーみっくのキャラ商品をあまり買わない。
そもそも年中金欠だからというのもあるのだが、
最近は百円ショップ、300円ショップの商品で
るーみっくキャラ商品が売られていたりするから
必ずしも値段だけの問題ではない。
見飽きた版権絵の使いまわしに
対価を払う気にならない、というのが
いちばん大きな理由である。
もう一つの理由としては
中高年のおっさんが
アニメ(漫画)グッズを使うのは
このご時世であっても
レトロフューチャー・ノスタルジーでは
言い逃れできないヤバさがあるからだが、
これについては自宅専用とすることで
問題を回避できることでもある。
さて今週、久々に
るーみっく関連のキャラ商品を購入した。
H TOKYO からリリースされた
「マンガチ」の中の#1「Lum(blue)」と
#4「Ataru」である。
2018年から発売されていたようだが
恥ずかしながらまったく知らなかった。
漫画関係ではコミックナタリーあたりは
まめにチェックしていたつもりなのだけれど。
最初は神保町の画材店で発見したのだが
欲しい#1と#4がなく、
東京駅で#4をゲットして、
丸の内では残りの欲しいものが得られず、
三宿で#1を確保した、という次第。
さてこの「マンガチ」#1と#4のレビューである。
「マンガチ」のコンセプトは、
ロゴ下部にも記載があるように
Take Your Favorite Manga or
Picture Book in Your Pocket、
大好きな漫画を持ち歩く、ということのようだ。
海外展開も視野に入れている(されている?)
のではないかなぁと推測される。
えっ、
それ電子書籍でスマホに入れとけばいいんじゃね?
とも思うけれども。
どちらかというと
ハンカチというキャンバス上に展開した
デザイン世界、というふうに僕は捉えていて、
だから#1の「Lum(blue)」なんかは、
最近ではキャラをうまくあしらった
日本手拭いなんかもあることだし
特に目新しくはないのだが、
#4「Ataru」の、
漫画のページ構成をそのまま持ってくるのではなく
印象深いコマを
コラージュ・再構成して並べた仕事が、
「お前さんやるじゃない」である。
コマをまたぐ擬音の処理も、
愛情なくしてはできない仕事である。
公式オンラインストアの商品紹介に
商品の全体画像があるが、
使われているコマのチョイスがまた実にシブい。
「うる星やつら」と聞いて
安易にイメージ・チョイスしそうになるところを
ぐっとこらえて創り出した、
見事なディレクションだと思う。
そもそも「うる星」の本質を、ラブコメではなく
あたるの奇想天外な日常生活に
見出しているのがよくわかる。
ラムに惚れられるのはそりゃ羨ましいけれど
あたるが日々直面する、
ハラハラドキドキの事件こそが
僕らが憧れていた世界であり、それを並べて、
マンガチのリリース第一弾に持ってくる、というのは
相当「できる…!」感じがする。
今回僕は購入していないけれど
マンガチの「Ikkokukan」も
同じような気持ちでディレクションされたのは
想像に難くない。
あと「Ataru」は#4に並べられているけれど
「マンガチ」のコンセプト的には
コマを並べたこれが#1であるはずで、
それを#4にしたっていうのは
これは完全にプロの犯行だと思う。
考えてみれば当時リアルタイムで
ファンをやっていた世代の人たちの中には
組織の中でこうした意思決定に関われる立場に
なっている人もいるだろう。
そうした人が、何十年も経って
自分の好きだったことを
自分が力をつけたその分野で世に出す、というのは
実にロマンチックな話である。
そりゃがんばっちゃうよね。
さて#1「Lum(blue)」のほうは
これはこれでなかなか良い。
できれば絵柄はリピートせずに
全部違えてほしかったけれども。
リピート頻度が
「Ranma1/2 characters」のほうが低いあたり
「さては担当者はらんま勢か!?」と
思わんでもない。
まぁそれにしても結構な出費だった。
ハンカチなんて自分で買ったことないのに
(そもそもハンカチは贈答品で賄うものと…)。