僕は「うる星」アニメ化からのファンで、
だから初期の「留美ック」には触れていない。
原作志向とはいっても、
手に入れていないコンテンツも多数あって、
でも30ウン年前ならいざ知らず
今となっては「まぁ、いいか」で
済ませてしまっているのが実情だ。
「うる星」第1話のサンデーや
アマチュア時代の同人誌を持っている人は
本心からすごいなぁと思うけれど、
この世で誰かが持っててくれればいいや、
とも思う。それが僕でなくても。
ケチなのかセコいのか、
同じ版権絵であれば、そのうち一つを
持っていればいいだろうと、
これはブーム当時から思っていて、
だから「うる星」グッズを
買い揃えるタイプではなかった。
なので、2016年に発行された
「うる星やつら パーフェクトカラーエディション」
も、実は持っていない。
「カラーだからといって、別になー」
と思っていたのである。
このブログのネタを考えながら本棚を眺めていて、
ふと気づいたのだが
「英訳 うる星やつら」は2色カラーじゃん。
この「英訳~」はなかなか謎な商品で、
掲載エピソードのセレクトも
その意図が全く理解できない代物だ。
なんせ1巻の初っぱなが真子エピソードである。
なんでやねん意味わからんわ。
その次に「絶体絶命」「四次元カメラ」が来る。
テンおらんやん。
で、4巻になんと「かけめぐる青春」がくる。
どういうことなのか。
当時は「なんで第1話が4巻なのか。アホか。」
ぐらいに思っていたけれど、
これもしかして「英訳~」が
4巻で打ち切りと決まって、
どうしても「かけめぐる~」を入れたくて
入れたんだったりして。と思った。
だとすると当時の担当者の心意気やヨシ!だが
4巻に収録されたもう一つのエピソードは
「雨よ降れ降れ もっと降れ!」なのだ。
なぜ抱き合わせが「アメフラシ」なのか。
いやいや、アメフラシ=高橋留美子氏ということで
高橋留美子リスペクトなのでは?
そして裏表紙に
アメフラシを持ってきて〆たかったのでは?
……いや考えすぎか。
正直言って「英訳~」の4巻なんて、
当時購入して、収録エピソードを確認したぐらいで
中身は読んでいないのだ。
そのまま本棚に直行である。
だから表紙の製版ミスにも今日気付いたところだ。
おいおいなめとんのか。
どんだけやっつけ仕事なんだよ。
編集スタッフの仕事なのかデザイナーの仕事なのか
よくわからないけど、校正紙ぐらい回ってきただろ。
と、35年越しに非難されるのも不憫である。
ええと、話を戻して。
この「英訳~」は、表紙が描きおろしだったりして
小学館商法というかなんというかなのだが
先ほども書いたとおり、中身は2色カラーである。
で、これはWikipediaにも載ってないので
おおいばりで書くが、
「英訳 うる星やつら」
・バレンタインデーの惨劇
・恋のアリ地獄
・絶体絶命
・四次元カメラ
「英訳 うる星やつら(2)」
・ヨガで迷想
・系図
・秘密指令“デートをのぞけ!”
・つばめさんとペンギンさん
「英訳 うる星やつら(3)」
・君まてども…
・階段に猫がおんねん!
・体育祭危機一髪
・激闘、父子鷹
「英訳 うる星やつら(4)」
・かけめぐる青春
・雨よ降れ降れ もっと降れ!
これら全て、雑誌掲載時はスミ1色である。
「英訳~」刊行に合わせて
2色カラー化されたわけだが、
彩色(?)を作者本人がやったのかどうかは
定かではない。
彩色センスとしては相当いい線いってるので
本人かもしれないが、
違和感を感じるところもあって、
でもそれは彩色をした時期と、
原作の執筆時期が
ズレているせいかもしれなくて。
作者が彩色しているとしたら
まごうことなきカラー作品なわけで、
なんなら
「パーフェクトカラーエディション」にも
掲載してもいいはずなのだが。
どうなってるのかちょっと興味があるので
「パーフェクトカラーエディション」は
買ってみてもいいかもしれないな。
ちなみに、この「英訳~」では
書き文字が変えられていたり、
日本語と英語の違いでフキダシの大きさに
変更を加えなければならず、
だから集中線なんかが書き足されていたりする。
また、カラー化に伴って
トーン処理やらなんやらが
いろいろ変えられたりしている。
英訳にあたってそれらは仕方ないかなと思うけど
これなんかは台詞がなくなって、
背景が書き足されたりしているのだが
作者のプロダクションによるものなのだろうか。
もしそうでないとしたら、
なかなか豪快な仕事である。
そういう時代でもあったのだね。