つい最近の日本の話題として
衣料品大手のZOZO創業者・前澤友作氏が
自費で宇宙旅行を実行した、というのがあった。
そういえば私はこの2021年冬アニメで
「月とライカと吸血姫」というのを
視聴しておりまして。
イリナが過酷な訓練を行ったのに比べて
前澤氏はそこまで苦労したようには見えないので、
その辺もテクノロジーの進歩なのかなぁと
思ったりもしたわけです。
そこで思い出すのは「うる星」の
これですよな。
古くはアポロ計画の時分から
SFファンたちは
そういう認識を持っていたんだろうけど、
私たちオタクが地球の引力や
大気圏を認識しだしたのは
大気圏突入でザクが燃えちゃう辺りからかな。
そういう概念に目を向けさせたという意味では
「機動戦士ガンダム」の功労は
たいへん大きいものであるといえましょう。
というわけで今回は
「見合いコワし」(9-7~10)編のレビューです。
4話分ある相当長いエピソードなので、
どうしたものかとは思っているところであります。
物語はテンから始まる。
テンの“盗み聞き”という要素が
後のあたるの“隠密行動”へと繋がっていて
この仕掛けは抜群に上手い。
もちろん、発想としては順番が逆なのだろう。
あたるとラムの間に“秘密”を発生させるためには
どうしたらいいか、というところからの
テンの盗み聞き、なのだろう。
テンと、ラムの親父との3ページは
“日常”からの出立点となっている。
続く錯乱坊やサクラとの3ページ、
少し間を置いて面堂やクラスメイトとの2ページは
彼らがあくまで地球の日常をいろどる面子であり、
ひとたび地球を離れて非日常の世界に突入すれば
あたるが孤軍奮闘しなくてはならないことを
読者に言い聞かせている
(このことは「オンリー・ユー」との良い対比だ)。
そのように、「見合いコワし」“=その1=”は、
そのページ数を丸々
イントロダクションに使っているが
その甲斐あって、物語は壮大だ。重厚感もある。
サクラも昔はこういう腰の軽いところがあって
それが なうなやんぐ らしくて良かったのだが…。
UFOでやれ。
親父さんに何と言われたのか知らんが、
ラムがあたるに
行き先を伏せる理由があるようには思えんが。
メタである。
この頃の面堂のラムに対する想いは
自分より上級のインベーダー/高嶺の花に
恋焦がれるような、
ちょっと可愛らしいところがあった。
うーんこの、松本零士的な計器の数々!
潜望鏡の描き込みも、ギャグ漫画とは思えない。
おや、このシルエットは……
=その2=に登場してくるレイであろう。
考えてみればラムが地球から帰ってくるのであれば
レイがまず第一花婿候補であって然るべきなのだが
こんな扱いを受けていて可哀そうに。
あくまで“見合いを邪魔する”という方便で
はっきりと本心を言わないあたる。
最終話(ボーイ ミーツ ガール)までの流れを
知っている者からすれば
もはやあたるらしい美学にさえ見える。
とはいえ、では「ボーイ ミーツ ガール」のほうを
改めて見てみると
ちょいちょい媚びる部分が垣間見えてなぁ……。
とまぁ、今回の=その1=は導入部であり
ラムが事の重大さに気づいていないこともあって
あたるに焦点が合わせられた回であった。
もしかしたら〈つづく〉が、
続かないかもしれない。