さて今週はうる星「見合いコワし」(9-7~10)の
レビューの2回目だ。
表紙のラムは劇場版「地球へ・・・」の
オマージュだろうか。
テンのおまるロケットの後ろ姿は
劇場版「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」の
ヤマトのようでもある。
そういえばテンとあたるはそのキービジュアルの
古代進と森雪のようだ。
1コマ目から上手いなー!
広い宇宙にポツンと小さな宇宙船、
そこでミニマムな台詞「こら!」が
生きるか死ぬかの大トラブルを
とてもちっぽけなことに見せるのに成功している。
おまるロケットが逆さまになっているのも
推進力がないのだなぁ、と考えさせられて
(当時としては)実に気が利いていると思う。
“エンコ”なんてもう死語も死語、
国語辞典からも消えているのではないだろうか。
「うる星」の新しい版ではどうなっているのだろう。
“さすらいの狼”、昔そういうタイトルの
アラン・ドロンの映画や、
同じタイトルの日本の時代劇ドラマが
あったそうな。
しかしあたる(=作者)が持ち出すにはちと古い。
日本の特撮「スターウルフ」(1978)あたりからの
連想なのかもしれないな。
高橋留美子で“ウルフ”といえば“ウルフガイ”だけど
そっちはあまり詳しくないので
その中に“さすらいの狼”というフレーズがあったら
たいへん申し訳ない。
この(プリムの)宇宙船のモチーフは何だろう?
悪魔族(=プリム)にも、
薬売り(=プリムの変装)にも
特に関連があるようには見えないのだが…。
船体には文字で注意書きがされているようでもあり、
ネタだとしたら、わからないのは口惜しいなー。
この、いかにも999が立ち寄った風の風景!
空に浮かぶ恒星も、虎柄周波数で
怪しい電波を放出するとかの
謎設定をもっていそうだ。
特に言及はされていないが、この星はもちろん
ラムの故郷である“鬼星”であろう。
宴会スタッフがみんな
ラム(と親父)の身内っぽいし
星の遠景は虎縞っぽいし。
後ろで出てくる噴水も、
鬼の神話がモチーフのようだ。
アニメではラムのドレスは紫だったかな。
原作の白っぽいやつのほうが断然いいな。
読者公募のこういうの、
今の時代ではどうなってるんだろうね。
新しい版では修正されているんだろうか。
この方もお元気なら
還暦を過ぎたあたりのはずだが
その後人生が変わったりしたろうか。
地底のプリンスは
アニメでは千葉繁氏が声をあてたが
千葉繁氏以外考えられない完成度だったなぁ。
「うる星」と親和性の高い、
優れたデザインだったのだろうね。
ドイツのものっぽい軍服と
ニッカポッカを掛け合わせて
ギャグ方向に振ったのも、とてもいい!
この辺の会話の作り込みを見るに、
作者も相当気に入ってたみたいに思える。
これはファン冥利に尽きるねぇ。
ってこの投稿者の方は、留美ックファンとしては
私よりずっと年季が入った先輩にあたるのですが。
すみません生意気言って。
プリム扮する薬売りはカタコトの日本語で、
まるで一昔前の中国人の描写のようだ。
薬売り(売薬さん)といえば越中富山であるが、
富山の喋り言葉は、別にカタコトではない。
もしかしたらこうした“口調”も、
読者の考えたキャラ設定の
一部だったのだろうか(ユニといい)。
胸と、背負った箱にはラッパのマーク。
言うに及ばず某製薬会社のマークだが、
某製薬会社のほうは
ラッパが上下逆さまである。
というわけで
「見合いコワし=2=」のレビューはこの辺で。
ラストまで追うにはあと2回はかかりそうだ。
来週の土曜日曜は正月なので
更新はお休みします。
皆さま、よいお年をお迎えください。