※前々回の記事で、リメイク版の放映開始を
「開始は4月だというから…」と書きましたが
どうやら違うらしいです。すみません。
さて、しばらく間が開いてしまったが
「見合いコワし」(9-7~10)の続きをやろう。
=その3=の扉はフキダシの台詞付きだ。
ユニのこの台詞は印象深いので、
記憶から、すっと出てくる読者も多いだろう。
なんというか連体形の形がヘンだからだ。
ユニは“まことちゃん”よろしく
「~~ら」「~~れす」と舌っ足らずに喋るが、
「恋人がいるのに…」を“まことちゃん語”に
変換するのは確かに難しい。
「いるのだ」ではなく「いる」でいいので
単純に「いるのに…」でいいんだけど
扉絵だから盛っちゃったのかな。
そういえば平野文さんがラム語をして
「~~だっちゃか!?」とよく言っていた
(たぶん“ウル青春記”とかでも)が、
あれもいちいち気になったもんだ。
オリジナリティあふれるキャラがいっぱいいるが
これは読者投稿の残党たちだろうか?
発想がフレッシュで、とてもいい。
変に小奇麗にまとまったキャラよりも
パワーを感じますわ。
作者やアシさんのお仕事なら
それはそれで素晴らしい。
この空間の描写!
パースがどうこう等関係なく、
ワクワクする絵だ。
あたるとプリムたちの位置関係だけでなく、
宴会場から少し離れた裏手の一角で…というのが
ストーリーへの没入感を高めている。
背景の書き込みもたまらん。
空間のモチーフの酒樽には
「NADANOKI IPPON」と書いてあり、
ここが単なる物置きではなく
“酒蔵”だと示していて、
だから所どころにある蛇口からは
きっと酒が出るのだ。
見合い反対派の“ささやかな宴会”には
飲み物が並んでいないがそれは、
“酒はその辺の蛇口から適当に飲む”と
いうことなんだろう。
漫画って面白いなぁ。
ディアナの食い意地に隠れているが、
この時のテンの挙動は何やら少しおかしい。
この辺からしばらく、背景にビールの缶が
大きく描かれていることもあり、
実は当初、テンは
酔っぱらっている案だったのではないだろうか?
憶測にすぎないけれど。
これはアニメ「一休さん」の名台詞。
なんか既視感が。
テンの母ちゃんが出てきてからは
あまり意識したことがなかったけど
テンはラムの従弟であり、
つまり鬼星の要人なんであるなぁ。
テンの親父は物語中に
出てこなかったような気がするが
父と母のどちらが皇族なのだろうか。
そういえばラムの母とテンの母の共演は
あったっけかなぁ。調べてみるかなぁ。
ディアナの皿は3枚、そして空っぽ。
神は細部に宿るねぇ。
女性キャラが「殺してやる」というのが
ギャグだった時代なんである。
「ウイークエンダー」から連綿と流れる、
男と女の下世話な色恋沙汰が
ある意味他人事であり、
エンタテイメントだった時代だからこそ
成立していたギャグでもある。
この手のギャグは確か
「モンスターズ・インク」あたりでも
見たような気がするけど
日本ではとっくに習得済みなのだ。
そしてこのセルフつっ込みは面白いな!
正体がバレての強攻策、
あたるには“なりゆきまかせ”と
断じられていて、その後でも
計画性のなさを指摘されているが、
見れば見るほど
「それは『オンリー・ユー』のことか?」
と思っちゃうな。
「頭が高いっ!!」は実に見事な台詞。
時代劇でよく使われるフレーズによって
コメディの雰囲気にしつつ、
次の落下にもかかっている。
天才的だ…。
「見合いコワし」シリーズは
一種、お祭り的な長編なんであるが、
すごく楽しげに作り込んであって
スペシャルと言うにふさわしい。
「オンリー・ユー」に比べると
ドタバタの規模としては小さいのだけれど、
あたる一人を巡るにしては、
「オンリー・ユー」は
話がデカすぎるような気もする
(そこがギャグ、なんだけど投影度は下がる)。
少年漫画としては、
この「見合いコワし」ぐらいが
ちょうどいいサイズな気がするなぁ。