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「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は」三宅しのぶのポジションについて

先々週、ちょっと“しのぶ”に触れたのだけど
その後、高橋留美子氏のTwitterにて
「【キャラクター小話】三宅しのぶ」が
アップされた。

朝日新聞社「好書好日」でのインタビューでも
“しのぶ”は重要なキャラとして挙げられており、
えっしのぶってそんな感じでしたっけ?と
思わんでもないのだが、
現時点での解としてはそういうことなのだろう。


新アニメの4/7特報以来、
しのぶのことがずっと気にかかっている。
気になるといっても改めて萌えているわけではない。
自分の中で、しのぶの解析が
まだ全然できていなかったことに気が付いたのだ。


先々週も書いたが、
令和の世において、しのぶはあまりにも地味である。

だいたいヒロインというものは
読者の疑似恋愛の対象たるものであるはずなのだが
新アニメの“しのぶ”の立ち絵を見ると、
どこからどう見てもただのモブキャラなのだ。


昭和「うる星」(原作でもアニメでも)においては、
ラムと比較されるための必然として
“普通の女の子(ガールフレンド・クラスメイト)”
でなければならなかったのだが、
“普通の女の子”であることが
セールスポイントになる時代は
昭和と共に去ってしまった。


無論、平成・令和の時代の漫画・アニメにも
“ただの普通の女の子”なヒロインはいるけれど
そういうキャラは総じて
“主人公の男の子(=読者)のことを好き”なのだ。

あたるに愛想を尽かしているしのぶが
いくら面堂や因幡に秋波を送ろうが、
それはヒロインとしての魅力とはならない。


ましてやしのぶは後半、怪力を特長としており
言ってみればX-MEN入りしているのだ。
ヒーローチームの一員では、
到底ラブコメのヒロインにはなり得ない。

同じ怪力でも、弁天とはえらい違いである。
弁天はある意味、カッコいい女の子キャラであり
ハーレムを形成する一員となり得る。

竜之介なども、倒錯したジェンダーにより
特殊な恋愛の対象となり得る。


しかししのぶはもはや
あたるや面堂の“同僚”なのだ。
しかもお色気要素は、ほぼない。
事件の際には、
あたるとともに必ず同行しているラムが
紅一点の役どころを担当しており、
からしのぶは“ジェンダーレス”な存在なのだ。


大丈夫なのか、しのぶ。
ほんとに新アニメでやっていけるのか?


面堂に一目惚れするのはいいけど、
令和の世の中で
オールバックの高校生ってかなり変だぞ?
少なくとも“イケメン”の括りではないぞ?

その後には因幡に鞍替えするしなぁ。
あれっ? しのぶが最後に面堂に好意を示したのは
いつだったっけ?
来週ぐらい調べてみよう。


そういえば昭和うる星#14
「面堂はトラブルとともに」で
面堂に見惚れているしのぶにあたるが
「しのぶ、しのぶ!
 こりゃしのぶ、なんとしたことだ しのぶ!!」
というシーンがあるけれど、
これ今聞くとメチャクチャしつこいな。

当時は見ていてすごく喜んだもんだけど
(その後仕返しにスカートをめくるテンポも
激烈に良かった)。

新しい令和「うる星」は
昭和の世界の持越しという話もあるけれど、
ホントに大丈夫なのかね。
ま、上記セリフはアニメ版なので
新作が原作準拠なら
こんな押井節の利いた台詞は
出てこないと思うけれども。〈おしまい〉