ぼちぼちと更新していければ

(毎週土曜日中の更新を目指しています)









昔のサンデーグラフィックを出してきた。

どうも今年は空梅雨のようで
いきなり夏がやってきたように、
暑い日が続いています。

さて、リメイクアニメ「うる星」の関連商品絡みで
いくつか新規イラストが世に出てきています。

ちらほら言われていることですが
新しい虎縞の設定はよろしくないですなぁ。

レイなんて、左右対称だったら
ショッカーの戦闘員みたいに
なっちゃうんじゃないの?


さて話は飛びまして。

高橋留美子氏と押井守氏の確執の話は
何年か前の、サンデー誌上のインタビュー記事で
高橋留美子氏によって
やんわり否定されていまして、
建前上 決着がついたような形になっています。

大人の対応というか
もうそういうことでいいんじゃないかと
思うところですし、
蒸し返すつもりも全くないのですが、
この話題において、
“少年サンデーグラフィック10
「劇場用アニメ うる星やつら
ビューティフル・ドリーマー」”が
引用されることが、
僕の観測範囲では無かったようで、
たいへんに気になっています。

サンデーグラフィック上で
高橋留美子氏は作品について
何かコメントしていないのか。

何かしらコメントをしていれば、
それが例え編集者の代書であっても
公式コメントとして扱われるべきですし、
商業に乗るということは
そういうことだと思いますし。

ただ、そういうことが書かれていたかどうか
まったく記憶にない。

なので引っ張り出してきました。

今回はこの、サンデーグラフィックについて
少し書いていこうと思います。



表紙には夢邪鬼も描かれているが
どちらかというと原作寄りだ。

服の柄も原作と同じ、
梅か椿か…。

B・Dの夢邪鬼の服の柄は4弁花であり、
ここは映画制作にあたって
意図して変更されたとみていいだろう。

B・Dの夢邪鬼にはまた、ツノがない。

これについては、
ラムと同族にしたくなかったとか、
人間と表裏みたいな
概念っぽい存在にしたかったとか、
B・D制作側の思いも
いろいろ想像できるし、理解もできる。
そしてそれが、
高橋留美子氏にも共有されていたと思われる。

さてバクも描かれているが
首輪もないし、なんとも微妙。

表紙イラストの、原作者への発注は
結構余裕をもって早期に、
それこそ夢邪鬼やバクの設定画が
まだ出てないぐらいの頃にされたのかもしれない。

氏が遅筆であれば、その後追っかけで
設定画を届けることができたかもしれないが、
もしかしたら早々に描き上げられちゃって、
それをB・Dの設定に合わせて修正してくれとは
到底言えない雰囲気だったのかもしれない。

なんせ付録のポスターにせよ、
巻頭グラビアにせよ、
高橋留美子氏には多大な協力を仰いでいるのだ。

巻頭グラビアは、そのテーマが
B・Dにはあまり沿っていないが
発注時には漠然と“夢をテーマに”ぐらいの
話だったのかもしれないし。

ただまぁ読者からすると
「映画の設定とは異なったイラストだな」とは
当時、確実に思った。
まぁしかし描きおろしイラストというだけで
ありがたいことだったので、
異なっているからどうの、ではなかったけれども。


さて、B・Dという作品に対する
高橋留美子氏のコメントを
このサンデーグラフィック上で探してみたが
これが、ないのだ。

「スタッフ・キャスト大放談」は
アニメスタッフの取材に終始しているし、
「けも・こびるの日記」では
B・Dと全く関係ない、
日常のエピソードのことが描かれている。


B・Dの試写が
サンデーグラフィックの入稿に
間に合わなかったのかもしれないが…。

サンデーグラフィック10「B・D」の
発売日がいつだったかは覚えていない。

奥付では昭和59年3月6日になっているが
おそらく映画の公開日、2月11日あたりの
発売だったことだろう。

しかし、サンデーグラフィック誌上の
“上映館リスト”には

1月25日付けの追加情報が載っていて、
もしかして1月25日以後の入稿だったのかと。
すげえすごすぎる。


まぁそんなわけで、
サンデーグラフィック「B・D」誌上では
高橋留美子氏の言質は取れなかった。

週刊サンデー誌上ではあったかもしれないが
どうだろうなぁ。


ビューティフル・ドリーマー」のwikiでは
「語り尽せ熱愛時代」上で高橋留美子氏が
“「私の『うる星やつら』ではない」と
暗に言っている。” 
とあるが、続けて
「B・D」を評価していた、ともある。

これは本当にそう書かれていて、

例えビジネス上の仕草だとしても
その文脈を残さず汲み取るべきであり、
“「私の『うる星やつら』ではない」”だけを
切り取るべきではないのだ。


というわけで、このテーマについては
僕自身の中でも決着がついたように思う。

とりあえずは、善き哉善き哉。