ぼちぼちと更新していければ

(毎週土曜日中の更新を目指しています)









作品のテンポ


令和「うる星やつら」も 2 回の放送を終えました。

Twitterハッシュタグ
5 ちゃんねるについては
もはや追い付けていないのですけど、
いろんな感想が飛び交っていること自体は
ぼんやり観察しています。

見ていて興味深かったのは
“新アニメはテンポが悪い”という意見。

む、こんなにハイスピードな作品なのになんで?


たいがいそれらには
“間の取り方が悪い”とも併記されているので
おそらくそこでいう“テンポ”というのは
“リズム”というニュアンスなのではないかと
思います。

確かにそれはあって、
いわゆる溜めというか、
そこに至るまでに要する期待感の盛り上げ時間とか
コトが起きた後の反芻時間だとか、
というのが、新アニメでは結構違うように思います。

ただそれが不作為なクオリティの低さかというと
そんなわけは絶対なくて、
商品として計算された結果なのだろうとも
また思います。

知っているストーリー、
知っているギャグ、
それらを「知ってるよ、もう」と
考える隙を与えないギリギリの速さで
組み立てられているように思うのです。

僕はパチンコをしませんが、
繰り返し繰り返し流れるパチンコの演出画面を
飽きずに眺め続けられるというのと
本質は同じかもしれない。
エンドルフィンとかそういうやつ。


うる星やつら」はもはや古典ですから
本来はオリジナルのスピードで
物語を進めるのが正しい。
それが絶対的な正義だと僕も思います。


でもこれ、2 回目のアニメ化だし
年号も 2 回変わっちゃってるんですよね。

若い人は映画でもなんでも倍速で見るし、
楽曲のギターソロは飛ばしちゃう。

幅広く“知っていて”、
共有できることに価値がある。

あと単純に、“昭和のペースはかったるい”。


若い人たちとの感受性の違いだけではなく、
クリエイティブとしても
令和の今の世の中に出すのであれば
解像度を上げた作品でなければと思うでしょうし
それが、情報量の多さでもあるならば
ビビッドな色使い(に仕込まれた視覚的な刺激)や
画面の変化のスピードが上がるのは
必然だとも思います。


もっとも、どこかで見た
「商業的に過ぎる」という意見は
本当にそうだなぁとは思います。


ただ、2回もアニメ化してもらって
贅沢言える立場じゃないし
じゃあ自分がスポンサーできるかといえば
アニメをオンデマンドするなんて途方もなくて
せいぜい円盤を買うぐらいだし
売られているものを買う、という
基本の姿に立ち返っているだけ、とも思います。


それで十分楽しいですし。

といっちゃうと消極的過ぎるかもしれませんが
市井の一人として
人生を楽しむことは
そんなに悪くないです。

ここからの道は若い人が作ればいいよねと
僕は思っています。


そろそろ新アニメ「うる星やつら」以外の
留美ックの話を書かなきゃと思うのですが
日々、刺激を受けるのは
新アニメを取り巻く今の状況、なんですよね…。
〈おしまい〉