2月も下旬となり、
受験シーズン真っ盛りとなってきました。
この時期になると「めぞん一刻」での
五代くんの大学入試をめぐるストーリーが
自然と思い起こされます。
五代くんは一浪してから大学入試に合格しましたが
昨今は浪人は流行らないのだとか。
志望校のランクを落としてでも
現役で大学生となったほうが
生涯年収の面で有利だという計算らしいです。
五代くんには赤貧の大学生のイメージがありますが
現代の尺度から考えると、
東京で一人暮らしの浪人をさせてもらって、
さらに私立大学に行かせてもらうという、
そこそこ恵まれた環境にあったように思えます。
ちなみに
五代くんの進学先はおそらく私立大学と思われ、
そのランクについてはwikipediaにおいて
“三流私立大学”とされていますが、
劇中では五代くんは
一の瀬さんの言葉を逆にとれば
二流大学に滑り込むぐらいの実力はあるらしいし
記念受験などない時代に
曲がりなりにも国立を併願しているわけですから
それなりの私大なのではと思うのです。
9巻において
こんなふうに言われているけれど、
8巻における本人曰く
さほど恥ずかしがる必要はないぐらいの
大学ということだから、
三流とまではいかないんじゃないの?
と個人的には考えています。
ランクはともあれ、
五代くんを東京の私大に進学させてくれた
彼の実家は、裕福ではないかもしれないけれど
それなりの経済力を持っていそうです。
まぁしかしそれも一昔前の日本の話であって、
波平さんの給料が破格だったり
野原ひろしがダメ男風でありながら
その年齢にしては
決して安月給ではなかったりした頃の
話ではあります。
「めぞん一刻」ではそのストーリー上、
経済観念が非常に試されるのですが、
「うる星」のポリコレ問題と同等に、
現代の貧しい世の中に
受け入れてもらいにくそうな問題を
内包している気がします。
もしもリスタートするなら
小津安二郎の映画のように、
そういう時代があった、と描くしかなさそうな。
まぁでもやっぱり再始動は難しいかな。〈おしまい〉