さて、「ザ・超女」のレビューを続けます。
前回(その 2 )はこちら。
休暇中なのに突発の案件で呼び出されるマリス。
こういうののはしりは
「スパイ大作戦」あたりなんですかねぇ。
休暇中の特別任務ともなれば
特別手当が出るんじゃないか、
特別手当を出してでもマリスに担当させるとは
マリスは相当優秀なんだな、というのは
イマドキの考え方であって、
この当時であれば
いわゆる “モーレツ”とか“宮仕え”とか、
そういったやつでありましょう。
上司とのやり取りに根負けするマリス。
これは読者の代弁でもあり、
ゆえにマリスが“常識人サイド”にあることを
宣言しています。
マリスはのちのち金の亡者っぷりを発揮したり
怪力をふるったりはしますが、
本質的には諸星あたると同じであり、
常識人がヘンテコな事件に巻き込まれる、
そういう図式のストーリーであると。
狂人に囲まれながら唯一まともなマリスは
まさに読者が感情移入するキャラとなる。
ということはマリスの怪力は意外にも、
笑うところではなく
読者の変身願望に応えるものなのかもしれません。
要人の息子が連れ去られたのはこの惑星モロイ。
なんだかガミラス星っぽいなー。
いや 999 の停車駅にきっと同じ星が。
バカ息子。
ここんとこいろんな界隈で
“バカ息子”が大事件を起こしているので
黄金丸くんを見る目も変わっちゃうなー。
マネシタ電器などと揶揄された時代もあったけど、
もはや松下もナショナルも遠い昔。
これ、YEN マーク( ¥ )が放射してるんだけど
逆さまになったのが「夫」になってるのって
ダブルミーニングなのか?
作画してれば当然気付いたろうけれども
これはすごいなあ!
「する!!」、
これも高橋留美子作品ではよく見る文面だ。
まぁただルーツはというと
これも田村信氏だったりするのかもしれん。
地球人の 6 倍のパワーというと
チンパンジーやオランウータンぐらいらしいです。
よく言われるゴリラは
人間の 12 倍ぐらいあるらしいので
マリスはゴリラよりは弱い。
ということはマリスは
サクラやしのぶよりも弱いのか!?
マリスは結構権力に屈しています。
ポーズだけではなくわりと本当のところで。
こんなに可愛いのに
雇われ人のペーソスあるいは
小市民みたいなところがあり、
高橋留美子氏のキャラクター創造の天才っぷりが
思う存分発揮されているなぁと思います。
マリスは折につけ、
髪のツヤを描き込んでもらってます。
これは結構珍しいのでは?
黒髪自慢の由羅さんだって
こんなことしてもらってないというのに。
マーフィーの、尻尾を使った分身の術は
のちの「コピー de デート!」に
昇華してるのかもしれませんな。
吾妻ひでおっぽい…。
なんだろ、フーセン人形みたいだからかな。
さていよいよ惑星モロイに乗り込むぞ!
というところで次回に続きます。〈つづく〉