作品の考察において
メタ要素が入っていると
ちょっと盛り上がるというか、
「おぉ~っ!」ってなりますよね。
『うる星』でもいくつかそういう表現はあって

(9-3『三つ子の魂、百までも!』)
作品と読者の架け橋になっていたり
その距離を狭める役目を担ったりしていました。
しかるに『めぞん』ではどうかというと
ちょっと思い当たらないんですよね。
扉のフキダシの中のセリフが、
雑誌掲載時には読者へのメッセージだった…とか
あったかもしれませんが、
ごめんなさい僕では確認不可能です。
ただ一ヶ所、どうにも気になるコマがあって
それがこちらです。

(10-11『開かれた扉』)
以前にも「作者の照れ隠しなのではないか」
と書いたことがありますが、
この四谷さんは、
どう見ても読者のほうを向いている。
考察とはちょっと違うのですけれど、
「四谷さんは自分が漫画『めぞん』のキャラだと
気付いている」って説は成り立ちませんか?
「ボクの考えた最強の『めぞん』設定!」
ってわけじゃなくって、
あくまでパロディレベルの話で
「そう考えると面白いかも」って話です。
四谷さんは神出鬼没で、
事件が起きた時に、実にいいタイミングで
いい場所に居合わせたりします。
五代くんと響子さんがすれ違ってしまって
そのままでは完全に決裂してしまうような時に
“偶然パチンコ屋で五代くんに出会ったり”、

(4-9『誤解の方程式』)
ストーリーが停滞してしまった時に
“偶然五代くんの客寄せに呼び止められたり”
するんですよねぇ。

(12-5『沈黙は金ヅル』)
いやぁこれ、“神出鬼没”じゃ説明付かないでしょ。
全部知ってて動いてるでしょ。
お祭りで、五代くんと響子さんそれぞれが
キス未遂事件を起こした時は
四谷さんは五代くんのほうしか見なかった素振りで
結果的に五代くんを助けましたが、

(4-5『祭りの暗い片すみで』)
絶対 響子さんと三鷹さんのほうも見てたでしょ。
そのうえで、
その場を上手くコントロールしたでしょ。

『一刻島ナンパ始末記』(6-番外編)に至っては
作者による仄めかしみたいになっておりまして。
四谷さんって
未来人とか観測者とか時間跳躍者なんじゃないの!?
なんちて。
四谷さんって
正体不明の謎の人という事になっていて、
働いているのかどうかもはっきりしません。

(3-1『あなたのソバで』)
本人も仕事をしている、と言いきれないようだし、

(7-3『一の瀬氏、走る』)
やっぱり何か、“任務”についているのかも
しれないですねぇ。

(第1話『ミスター・ブーの巻』)
HCIAの背古井さんと重ねて
語られることも多いですが、
どこか小市民感のある背古井さんに比べると
四谷さんは飄々としていて
得体の知れなさはより際立っています。
『めぞん』本編で
四谷さんが表だって活躍するのは
二階堂くんとの骨肉の争い編とか

(8-6『ジャブ&うっちゃり』)
八神の家庭教師を引き受けたエピソード

(11-9『キック・オフ』)
とかになりますでしょうか。
まぁ、二階堂くんを仲間に引き入れたり
八神に「弱虫!」と言わせるお膳立てをしたり、
といった、舞台装置的なところは否めませんが…。
そういえば四谷さんは『めぞん』第1話において
酒に酔って「〽ぅわたしは きゃんで~~」
と歌っていますが、

(1-1『隣はなにを…!?』)
検索しても このような歌詞は
『キャンディ キャンディ』OPしか見つかりません。
1980年といえばアニメ『うる星』前夜でありますが
この当時、吞み会で『キャンディ』を歌うとは…。
四谷さん 豪気すぎるぜ……!
っていうかタイムリープした俺らかもしれん。
『めぞん』を読み返していて
気付いたのですが、
一刻館の各部屋には流し台があるのに
なんでみんな共同の水場で歯を磨いてるんですかね。

(3-9『混乱ダブルス』)

(5-4『キッスのある情景』)
この手のアパートに住んだことがないので
わからないんですけど、
水場が社交場、みたいな文化があるんですかね?
まぁ『めぞん』のストーリー構築には
おおいに貢献しているみたいですけど。
ふむーー。
〈おしまい〉