先週、
「年季ものであることに価値があるわけではない」
を書いたのですが
“ノスタルジー”という部分に拘るあまり
どうも言及先のnoteの趣旨にそぐわない文章に
なってしまったように思います。
Z世代にはもはやホンモノが残されておらず
だから幻影を信じる素振りで幻影と踊るのだ、
そんな感じに読み取りましたが
それはきっと我々年寄り世代も
同じだったと思うんですよ。
空から女の子が落ちてくる、
美人の管理人さんがやってくる。
プロセスはともかく、はっきり言って
かなりの部分を性衝動が支えていると思います。
年頃の女性と密接な関係になりたい、
手を伸ばせば届く距離間で過ごしたい。
『うる星』も『めぞん』も今から見れば
男女の恋愛観は一昔前のものですが
しかし実は当時リアルタイムの読者と比べても
幾分 古い価値観で描かれていたように思います。
妻を娶るという感覚もそうですが
姐さん女房に尻に敷かれながらもいざとなれば
男らしいところを見せる、などは
冷静に俯瞰からみると
高度経済成長期やスーダラ節あたりの
親~アニキ世代の感覚であって、
校内暴力が幅を利かせ
クラスではツッパリばかりモテていたような
高校生活を送ってきた我々からすれば
漫画に出てくる美少女キャラは
その時点で既に幻想でした。
だって実際には一時期
女のコの可愛い仕草はすべて「かわいこぶりっこ」
とされて、唾棄される対象でしたからね。
あざといあざとくない関係なく、です。
そんな中で僕のようなオタクが夢見ていたのは
結局のところ、上の世代から伝え聞いた
“古き良き恋愛像”だったんだと思います。
よくいう「今の若いものは…」という言葉の
まるで逆の意味で
いつの世代も、上の世代がやっていたことに
憧れるのかもしれないな、と
なんとなく思います。
今のZ世代が実際の先達からではなく
ラノベやなろうから学んでしまうというのも
その作者の感覚あってのものですし
(その場合 飛び級的に何世代か跨いで
しまうんでしょうね)。
そして、言及先でも述べられているように
現実の恋人を得て
ゆっくりと本当のリアル、
実際の時間の流れに馴染んでゆく。
そしてようやく、
自分の時間軸の風潮を知るのでしょう。
良きにつけ悪しきにつけ。
おそらくそれはどの世代も一緒で、
それを経てさらにその先に
幻想に耽溺する行為が出てくるのではないかな。
それはそれで結構楽しいものだと
年寄りの僕は思いますが。
〈おしまい〉