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『就職大願望!帰ってきた抜け忍かえで!!』レビュー

 
少し前の某党総裁選挙でも
鹿が話題になりましたが、鹿といえば奈良。
某新総裁のお膝元でもある奈良といえば
『くノ一、奈良を走る』(6-5)であり
かえでちゃんであります。

かえでちゃんの話は、つづく『京に潜む』、
『永遠に』で綺麗に終わっておりますが
昭和アニメのほうでは完全アニオリで
1話作られていまして、それがこの
『就職大願望!帰ってきた抜け忍かえで!!』
となります。


1985年の新春一発目の放送となるこの回、
原作が枯渇するまでにはまだ余裕がありそうなのに
なんでアニオリ!?と思わなくもないですが
ちょうど『リメンバー・マイ・ラブ』の制作と
時期が被っているので、
「主要スタッフが忙しい時に人気エピソードは
やるな」みたいなのがあったのかもしれませんね。
あくまで想像ですが。


さて物語は
追っ手に追われる抜け忍かえで の描写から
始まります。

作画はもはや手慣れてきた林隆文氏。
前作(?)『修学旅行!くの一よ走れ』は
野部駿夫氏作画で、3年が経過していますが

並べてみると結構同一人物ですねぇ。


『修学旅行!』のほうのキャラデザはこちら。

161話『就職大願望!』のほうの設定資料は
該当のサンデーグラフィック14にも
掲載されていなかったので新旧比較はできませんが
高田明美氏の絵は安定しているので
あまり変わっていないような気がします。


かえで のCVは三田ゆう子さん。
三田ゆう子さんで忍者というと個人的には
石川美加の印象が!



追っ手から逃れるために野を駆ける かえで。
短い歩幅でカサカサ走る様子が
アニメカムイの流れを汲んでいます。
まだ“ナルト走り”の概念がなかった頃ですね。



空腹に力尽きた かえでを助ける面堂。
修学旅行で出会ったことに言及しているので
連続した時空ということになりますが

しかしその後のシーンで かえではラムを
はっきりとは覚えていない様子。
無論そんなはずはなく、3年前には
きっちり互いに認識しているんですけどね。


ここで脈絡もなく了子登場。
すぐさま洋服から戦闘服に衣装チェンジしますが

了子とかえでのキャラが被り過ぎです。

髪の色もあまり変わらず、
対比感がまるでありません!
なんでわざわざこんな組み合わせにしたんだろう…。


まぁそもそもが かえでの天然ボケキャラは
いろんなキャラと被っており
既視感があるのですが、
その“思い込みの激しい仕草”は
時に了子が“演じる”それと似ていたりもします。

尚且つビジュアルが似ているのですから、
これはちょっとどうなの?って感じですねぇ。


さてこのエピソードでは
背景動画や爆発エフェクトなどで
ちょっと目を引かれるところがあります。



この辺はもしかしたら
西村純二氏のこだわりかもしれません。



イントロで やつで様の顔面崩しを打ち破った
かえでの必殺技“鏡返し”。
その必殺技がさらに破られたとき、
かえでは走馬灯を見るのだが



それにしても…ここでは かえでが勝つのですが
どうして かえでが勝ったのか、
その描写がないんですよね。
そこはしっかりやらないと、
ギャグ作品としての『うる星』の
根幹に関わると思うんだけどなぁ。


かえでの行く手に立ち塞がる刺客の一人、
西村智博氏の忍者が繰り出す
「飛燕抜刀霞斬り!」、
きっとアホな必殺技なんだろうなと身構えていたら

それ以前の問題で、不覚にも笑ってしまいました。


また別の刺客の“飯綱落とし”。


ちなみに『愛の脳天逆落とし』(31-1,2)は
『就職大願望!』の1年後の1986年掲載でした。


この『就職大願望!』というエピソードは
ややイメージ優先なところがあり、
脚本的に繋がっていない部分が
ちょくちょく見受けられます。

現場を去ろうとする了子を「了子、待てっ!」と
面堂が呼び止めるのは意味が分からないし
さきほどの“鏡返し返し返し”もそう。




了子と かえでがなにやらライバルのように
見つめあうのも将来的に意味がなく
雰囲気を出しているだけ…のように感じますし、

ラストの止め絵の「私、転職しま~す!」にしても
かえでの本来の目的は

自分が やつで様のように醜くならないように
する事であって、
他の新天地を見つけることは
直接の目的ではないと思うのです。



呪縛からの解放といえば確かにそうだし
社会派作品を装ったクサいギャグ、ということかも
しれないけど
根底にあるのはギャグなので
なんか変に女性の社会進出とか
職業選択の自由アハハンとか
そういうことを感じさせるようには
しないほうがよかったんじゃないかなぁ。


でもまぁやっぱり、
オリジナルは新鮮でいいですわね。


〈おしまい〉