今週も人魚シリーズ『約束の明日』の
レビューをしていきます。前回はこちら!

夜更けに苗ちゃんが黄昏ていると
足元の地面から真魚が這い出てきます。
『闘魚の里』の湧太の甦りの
オマージュ…なのか!?
実際には埋められると土の重さで
到底出てこられないみたいだし
窒息もしてしまうらしいですけどね。

真魚は英二郎と初対面のはずだが
自分を殺したことに英二郎が関与しているのを
知っているのはちょっとおかしい。

始末しろと言われたのに生き返ったら
しくじってしまったことになるわけで、
それが例え超常現象だとしても
自分のミスを秘匿しようとするなら
もう一度 真魚を殺害して
英二郎にバレないようにするんじゃないの?
なんで馬鹿正直に
英二郎の前に連れてきたの?
殺人は躊躇なくやるわりに
どうもそういう悪いコトのディテールが
甘い気がしますなぁ。

真魚の話を聞き、
湧太がこの地にやってきたことを知る英二郎。
60年ぶりなどとヒントを聞いて
湧太=あの湧太だと結びつけたのだろうか。
この時点でおそらく英二郎は
湧太が不老長寿とは知らないはずなので
彼は湧太のことを、自分と同じぐらい
年寄りになったと思っているはずなのだが、

(後ほど)対面しても、
若い姿の湧太に特に驚いていない。
まぁ湧太の若い姿に違和感を持つのは
数ページ前に草吉でやっちゃってますけど、
とはいってもやはり
英二郎が気に留めないのはおかしいですねぇ。

英二郎はいろいろヤバいんだけど
この場面みたいに、責任転嫁もすごい。
「あんな姿」が魂の抜けた姿のことであれ
見境なく人を傷つける悪鬼のことであれ、

英二郎が計画性を持ってやった結果ですもん。
ただこれなぁ…。
キャラクターの整合性よりも
シーンの伏線っぽさ(あえて“ぽさ”という)を
作者が優先させた結果じゃないの?
っていう気もちょっとするんですわ。
ま、その辺はおいおい。

生き返った真魚を
再度始末せよと命じる英二郎。
執拗に真魚を殺そうとするけれどもさ、
なぜ殺さなければならないかというと
・苗が黒メガネを殺したところを見られた
・真魚を殺害したことを知られた
からなんだが、
黒メガネなんかどうにでもなりそうだし
真魚を殺したことも、
当の真魚が生きているのだから
なんとでもなるわけでしょ。
あえて言えば
・苗の存在を知られた
っていうのもあるけど、
真魚のバックに誰がいるかわかんないのに
殺害するリスクをとるほどのことじゃ
ないでしょ。
君たち人殺しを簡単に考え過ぎなんだってば。

人魚の肉で不老長寿になった者は
首を落とさないと殺せない。
だーかーらー、
『夢の終わり』の爺さんもそうだけど
なんでそんなこと知ってんだよ…。

真魚に話しかけられる苗ちゃんは、
自分が誰だかわからないみたい。
だけど一応会話は成立してるんだよね、
平常時でも。
苗ちゃんはどうも
記憶喪失状態と、自我のないお人形状態の
両方をフラフラしてるっぽくて、
それはおそらく物語の設定上
(自分を殺した)英二郎のもとで
大人しく暮らしていなきゃいけない都合で
そうなってるんだよね。
でもそれはちょっと作り込みが甘いというか
そこはちゃんとやらなきゃダメじゃん?
と思います。

英二郎は苗ちゃんと破局した後
東京で逆タマ(死語か?)に乗り
そこからさらに財を築いたあと、
苗ちゃんのお屋敷を含むこの辺の土地を
買い漁ったらしい。
すべては苗ちゃんへの未練のためらしい。
女は上書き、男は別名保存などと
よく言いますが…英二郎君さあ、
本妻との長い結婚生活の間ずっと、
赤い谷の死体のことを考えていたわけ?
そしてそんなに金持ちなのに
本妻との間に遺産相続人とかいないの?

真魚は始末されるために
連れて行かれそうになるが、
今回は苗さんはそれを無表情に眺めている。
どうやら今はお人形タイムらしいですね。
鳥も啼いてないしね。

たまらず湧太の名を叫ぶ真魚。

真魚の声を聞いて湧太も屋敷に飛び込むと、
屋敷には侵入者を警戒するベルが鳴り響く。
ベルに共鳴するかのように鳥が啼くと

苗ちゃんは狂ってしまうのだ!
ギルの笛の音かよ。


真魚の名を呼ぶ湧太の声に反応する苗ちゃん。

だが湧太は黒メガネに鈍器で殴られて
気を失ってしまう。
ここで苗ちゃんが序盤のごとく
「大丈夫?」と助けに来ないのが
不思議だよな。
愛する湧太を傷つけられたんだから
逆上したっていいぐらいだろ。
というわけで、既に少しずつ
綻びが見え始めた『約束の明日』、
レビューはまだまだ続きます。
来週もよろしくお願いします。
〈つづく〉