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人魚シリーズ『約束の明日』レビュー その4

 
さて『約束の明日』のレビューも
今回で4回目となります。前回はこちら



黒メガネに殴られて昏倒した湧太は
夢の中で
旅の比丘尼の人魚の灰の話を思い出します。

人魚の灰は「木や草を育てるお薬」として
扱われたようで、それは裏伝説のほうでも
同じなんですよね。

死んだ比丘尼の亡骸に人魚の灰が付着したのは
あくまでたまたまというか事故。
死人を蘇らせる効果があるとは
比丘尼を殺すまで村人は知らなかったはず。

「木や草を育てるお薬」を
比丘尼を殺してまで欲しがるかぁ?


で、普通に考えたら
草木の花を咲かせたところで
花咲か爺さんでもない限り
たいして役に立たないので
農作物に使うはずなんですよね。

四季に関係なく一年中作物が収穫できるなんて
むちゃくちゃスゴイ。
なんなら百万石のお大名ですよ。


御咲村はどちらかというと内陸だろうし
農業林業はあったはずで

それに活用しない手はないと思うんですよね。
でもそうはされなかった。


「誰も知らない赤い花の谷」という
ビジュアルが先行して、
理屈の組み立ては放棄された感じでしょうか。


捕らわれた湧太と草吉の前に
英二郎老人が姿を現します。

右手には仕込み杖。こいつ頭おかしいやろ。



苗さんに何をした、と湧太に問われて
逆ギレする英二郎老人。
湧太はむしろ“何もしなかった”わけで
英二郎のほうが心当たりがあり過ぎるはず。
どういう責任転嫁だよ…。



この激昂から

この涙である。情緒不安定過ぎる。
これはギャグの文脈でしょ…。


(27-8)これ系の。
作者さん笑いながら描いたんじゃないかって
思うなぁ。



真魚の処分を命じられた三下ふたり。
レミーかな?ずいぶんいい酒吞んでんな。


真魚に乱暴しようとする三下に
背後から忍び寄る手練れの暗殺者 苗ちゃん。
一応言っとくけど、鳥は啼いていません。


真魚「助けて…くれたのか?」
苗ちゃん、ノーコメント。

女性が男性に乱暴されている光景が
苗ちゃんにフラッシュバックを起こさせて
彼女を凶行に走らせてしまうのか?

しかしそうだとすると、前回のテラスでの

この表情が成立しないんですよね。



湧太は草吉に、人魚の灰の裏伝説を話し出す。
裏伝説?裏伝説とは。
誰が知ってて誰に伏せられていたら
裏伝説なのか。

比丘尼を殺したことを伏せて流布したのなら
人魚の灰の存在は
村人に広く知られていたのか。

そうではあるまい。
人魚の灰の情報は、苗ちゃんのご先祖が
秘匿していたはずだ(多少の漏えいは
あったとしても)。

その情報を知っていたのは
苗ちゃんの家系と関係者ぐらいのはずで
だったら表も裏もない。

「裏伝説」言いたいだけちゃうんか、と。



比丘尼は仇にとどまらず無差別殺人を行ったが
苗ちゃんはそうするようにはならなかった。

後ほど湧太に凶器を向けるのだけれど
(鳥が啼いているとしても)
これは何かの間違い。


ということはさ、
苗ちゃんは悪鬼になってないんだよな。


本当なら、物語の中で
苗ちゃんが謂れのない人間を
殺してないといけない。

でもそうすると苗ちゃんが汚れちゃうから
そういう描写はしなかった。

それはちょっと中途半端なんじゃないかなぁ。



英二郎の腹心の者が、
苗ちゃんの逃亡を伝えに来た。
警報切ったままだったのか?使えないやつ。



苗ちゃんが「赤い谷で湧太に会う」というので
湧太と会うためにホイホイついていく真魚。
早とちりもいいところだけど、

苗ちゃんと同様、真魚もまだ人間社会に
慣れていないからしょうがないか。



というところで前編が終わりです。
シーン重視の傾向が見て取れ、
ストーリーの完成度的には
あらまぁ…という感じがかなりしてきました。

最盛期の角川映画が
原作を端折った作りをして
いろいろアレでしたが、
そういうのは興行的に成功だったとしても
必ずしも褒められたことではないわけで、
最低限の辻褄合わせは
やってほしいなと思いますけれども。


まぁしかし、来週から後編を見ていきます。
どうかよろしくお願いいたします。


つづく