数日前の10月14日、
リメイクアニメ「うる星やつら」第1回が
無事に放送となりました。
翌日に仕事を控えた中年男性としては
リアルタイム視聴に挑む体力はなく
翌朝早起きして(早起きは平気)
視聴に臨みましたが、
たいへん充実したいい作品だったのではないかと
思います。
知っている内容、知っているギャグに対して
自分が楽しめるのかどうかというのが
自身の最大の関心ごとでしたが
目くるめくテンポだったので
それらを自問する間もなく、
ある意味、遊園地の絶叫マシンのような
ハイスピード娯楽コンテンツだったなぁと
僕は感じました。
考えるのではなく、感じる。
今の時代に合った作り方だったなぁと思います。
アニメとしての出来も、かなり良かった。
退屈はまったくしなかった。
ま、退屈しないというのは
視聴しながら/原作を思い返しながら/
旧アニメと比較しながら、というのを
脳内で平行作業しているからかもしれませんが。
放送後から翌朝、
そして24時間以上経った現在まで
Twitterのハッシュタグ #うる星やつら とか
5ちゃんねるの当該スレッドなどは
ものすごい勢いでコメントが寄せられており、
反響という意味では
このプロジェクトはスタート大成功どころか
過剰ともいえるぐらいの反応を
集めているといえるでしょう。
まさか、潜在的なファンが
これほどいるとは思わなかった。驚きです。
それらの場では、新アニメに対する感想と共に
びっくりするようなディープなネタを
出してくる先達もいるし、
むちゃくちゃハイレベルの絵師さんが
いきなりぽんとラムの絵をあげてたりするし、
そうかと思えば過去さんざん行われてきた話題が
堂々巡りしていたり、
低レベルな投稿があったり、
まさにカオス・坩堝のような雰囲気になっていて
これはもう身体が保たないなと
僕は音をあげているところです。
ほんとに、わんわんと轟音が渦巻いている。
しかしまぁ、これが当分続くのか
一過性のものなのかは、今の時点ではわかりません。
過去、神がかり的だといわれたコンテンツが
あっという間に
一般の口端にのぼらなくなったことは
枚挙にいとまがない。
それは本・映画・音楽・テレビ番組・ゲーム、
どんなジャンルでも最近はそうで、
日本が、世界が、
文化を消費するスピードが速すぎるんですよね。
大事なものを大事にする、大事にしていきたい、
そういう気持ちが
マジョリティにないがしろにされても
傷付かないようにしないといけないなと
現代を生きる中年男性としては思います。
もう一つ
(改めて念押ししておくと
僕は新アニメ「うる星やつら」に対して
肯定的だし、いい出来だと思っていますが
それとは別のベクトルとして、事実として)
新アニメ「うる星やつら」は
“上書き”だな、と感じています。
おそらくここから先、スタンダードは
この令和版「うる星やつら」になる。
web検索ではまず令和版が出てくるだろうし
キャラクタープロダクツは令和版
(と、あるいは原作版)ばかりになるでしょう。
なにより、昭和版を語ることが
わずかにでも、心苦しくなりそうです。
昭和版を褒めることが
令和版の否定となるわけではないのですが
受け取るほうの感じ方によっては
対立と捉えられたりしそうだし、
何かとやりにくい。
例えば
これは旧アニメの、僕が大好きな一コマですが
今となっては、この旧ラムを掲載すること自体が
「旧アニメにこだわりがある人なんだな」と
まず思わせてしまいそうな感じがあります。
たいへんやりにくい。
おそらく世界的にそうなっていって、
昭和版のアニメ「うる星やつら」は
どんどん薄められていきます。
それを、僕は“上書き”だなぁと思うのです。
しかし、他方それも世の常、とも理解していて。
嫌われない老人にならなくてはなりませんからね。
怖いので何度も言いますが
令和版アニメ「うる星やつら」は
面白いし、来週も楽しみです!
そうそう、新アニメの放送開始日が
旧作と同じ10月14日であることがバズりましたが
それってファンへのサービスではあるだろうけど
コストのほとんどかからない、洒落みたいなもので
ビジネス的にどうの、ということでは
ないんだろうなと思います。
であれば、
そして小学館100周年記念事業なのになぜ、
(これも旧作とのリンクとなる)
“水曜日放送”にしなかったのか。
水曜日にすれば、向こう4クールに渡って
サンデーとの連携ができるでしょうに。
そうしなかったのは
そうするほどではないという
雑誌の凋落なのかとか、
旧作と現連載作との兼ね合いを
サンデーが気にしたのかとか、
深夜帯だとそもそも意味ないだろうとか、
同じく凋落しているといわれながらも
TVのゴールデンはやっぱり高いんだろうなとか、
そしてNHKならゴールデンで枠がありそうだし
サンデーとしても根回しは済んでいるだろうに
やっぱりさすがに「うる星」は下品だったのかとか、
そういう妄想がはかどります。
あ~、いやらしい大人になっちゃったなぁ。
〈おしまい〉