ぼちぼちと更新していければ

(毎週土曜日中の更新を目指しています)









忘れて眠れ レビューその2


さて、『忘れて眠れ』レビューの第2回です。
前回はこちら


伏の犬舎で、春花の愛犬のメイは
ばば の怨念の犠牲になった。
妖犬の姿で復活を果たした ばば は
伏と春花が固唾をのんで見守る中、
悪意を撒き散らしながら悠々と立ち去る。

床に入り、思いに耽る春花。
やや妖艶に描かれた髪が色香を放っているが
たぶん、辛い出来事にやつれてしまった描写である。

“メイが倒れた時、私も倒れた”というふうに
春花が自身とメイの出来事を重ねて考えたなら、
“自分の腹からも、化物が出現するかもしれない”
と思ってもいいだろうにそうは考えなかった。

床に入ったのは、ひとしきり泣いたりして
感情が落ち着いてからなのかもしれないが、
“世にも奇妙な出来事”を体験したにしては
ずいぶんと“賢者モード”だな。

まぁ取り乱されても物語で扱いづらいけれども。

春花の夢の中で、若苗の過去の記憶が再現される。
犬使いの男とのふれあいで心をときめかせる若苗。

当時はすっ飛ばして読んでたけど、
これもしかして若苗が
胸のふくらみを手で押さえてるのか。
セリフが主になってるから絵は添え物的だけど、
ちょっとわかりにくいなあ。

倶々囉という名前の発想は
くぐつ-傀儡-操り人形、あたりから
来てるのかもなぁ。

ばば への服従を語る若苗。
『忘れて眠れ』のテーマの、
“裏切り”というキーワードが
初めて出てきたところである。

ばば を裏切れんと言った若苗だが、
実際には裏切って男と駆け落ちしたのだ。

男は若苗の愛犬 麻奈志漏に殺されたが
それは若苗が仕掛けたのではないから
結果はともかく、若苗は男を裏切っていない。

若苗が裏切ったのは、ばば なのだ。

最近は宗教二世などの話題もあることだし、
若苗の事情についても
いろいろ妄想してしまうなあ。


不思議な夢を見たあと、母親に起こされる春花。
昨日の今日で「みちゃったあ!」とは呑気だな。

これが、
昨日のことは全部夢だったのね!と
お気楽に構えている展開であれば
「みちゃったあ!」でもいいんだけど
記憶がはっきりしているならば
ずいぶん切り替えが早い子だな、と。

いえなかった、であってもさ。
愛犬を亡くしたにしては落ち着き過ぎて見える。

犬が“もう一人の家族”なんて言われ始めたのは
もう少し後の時代のような気がするが、
それでもやっぱり春花は少し淡白だなあ。


そんなわけで今週は

春花のベッドの中だけに終始してしまいました。

次週は伏くんと春花ちゃんの仲が急接近!?

の部分となりますね。

次週もよろしくお願いいたします。