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闘魚の里 レビューその4


「闘魚の里」レビューその4です。
その3はこちら

 

賑わう港の市で物々交換に勤しむ鱗と湧太。
櫛を買うのにイワシを支払いにあてようと
しているようだけど、
盗品を売りさばく描写はあえて避けた感じかな?


湧太は逆髪衆にも死んだと思われていた。
同じ人魚討伐隊の他の者も含め、
逆髪の元へ帰還しなかったからだ。

そこへ藤吉が湧太の生き返りをリークする。

生き返り=人魚の肉を食らった、と繋がって
砂は、湧太が人魚と邂逅したのではないかと考えた。

湧太が人魚を捕らえ、
その肉を喰ったのではないかと考えたのだ。

しかし、であれば

「なぜ(人魚討伐から)生きて帰ってこれたのか」
というクエスチョンに繋げるのは不自然だ。

なぜかと問われても、(この砂の仮定ルート上で)
湧太が人魚の肉を喰った(かもしれない)のは
当然湧太が人魚を討ち取ってからになるわけで
交戦時の湧太は不老不死でもなんでもなく、
帰ってこれたから帰ってきたに過ぎない。

平静を装っているが
砂はいささか動転してヒスっていたのではないか。

「じゃあどうして生き返れたんだい?」なら
よかったんだけどね。
そう話させると、その台詞を以て
“生き返り”が既定事実のようになり、
後々の湧太の手の甲の傷が治るシーンが
生きなくなってしまうから
そう話させられなかったのだろうか。


手の甲を串刺しにされた湧太。
いやその程度では済まない痛さだろ。もっと痛がれ。

湧太に鱗と夫婦になることを持ちかける親父。
海賊ともあろうものが、
いくらなんでも拙速すぎるし、
湧太にしてみれば
身を寄せている海賊衆の頭領にゴリ押しされて
たいへんキツい状況である。

まぁこのあと親父は
悲劇じみた局面となるので、
その前の人気取り的なところもあるのだろう。
ちょっと、取ってつけたような感じはあるけどなあ。

鱗の住処に砂がやってきた。
司令塔&病人のいるところに
おめおめとライバル逆髪衆の侵入を許すとは。

もうちょっと防衛力強化しろ鳥羽島衆。


刀を突き付けられて、へらず口をたたく湧太。
砂は口を割らせようとしているのであって
口を封じようとしているのではないんだけどね。

砂の刃は、病床の鱗の親父に向けられた。

砂は、瀕死だがすぐに処置すれば助かるという。

湧太の見立てでは致命傷ではないようだが

体力の細った病人では長く持つまい、という砂。

親父を助けるための人魚の肉を手に入れるために
飛び出していく鱗。


しかしあくる朝、湧太の見立て通り
親父は息を吹き返す。

この、湧太の見立てが一番正しかったというのは
とてもよかった。
湧太は一応ヒーローであり、その肉付けとして
このエピソードは地味に利いている。


砂は鱗に斬り殺されたが
どうせ生き返ればいいし、というような
甘い考えがあったように思う。

しかし首をはねられたら蘇生は不可能なのだ。
そして逆上した鱗ならそれもやりかねない。

湧太もだが、
砂はどうもリスクヘッジが甘いのではないか。


親父を助けたい一心で、海に繰り出す鱗。
しかしその動きは逆髪衆を利するものだった…。

砂は、人魚の肉が湧太の手元にあると考えていて

鱗(と湧太)が海に出る想定は
していなかったはずだ。

だから逆髪の頭が待ち伏せのようにしているのは
ちょっとおかしい。

頭が、砂のさらに上を行く企みを
持っていたかというと、そんなはずもない。

砂の戻りを待っていたら
なにやら鱗と湧太が舟でどこかに行こうとしている、
追ってみるか…、ということならわかるのだが。

というわけで今週はここまで。
アクションシーンからとなる続きは来週!
〈つづく〉