ぼちぼちと更新していければ

(毎週土曜日中の更新を目指しています)









『人魚の森』レビューその5


先週、先々週と
別のお題でブログを書いていたのですが
今週は『人魚の森』のレビューに戻ります。
都合、第5回となります。第4回はこちら

 

物語は【後編】に突入しまして
扉では真魚がまたしても裸体を晒しています。
物語上では、真魚が裸になるフェイズは
もう終わってるんですけどね。

【後編】ゆえに
読者の支持が離れやすいことへのテコ入れかなぁ。
この後に、
裸がバンバン出る『らんま』の連載が始まるので、
編集さんと裸談議なんかがあった時期かもなぁ。


登和は、真魚と自分の首を挿げ替えたいのだという。
いやいやいやいや。
だってさ、挿げ替えるからには
自分もいったん、首を斬り落とすってことでしょう?

(読者からしたら、人魚は首を落とされると死ぬ、
ってわかってるのもありますが)

やったことないのに、
よく首だけになろうって思えるな!?
脳への酸素の供給とかさ、いろいろあると思うよ!?

まぁ、少し後で出てきますが
これは登和の、佐和に対する“脅迫”でも
あったわけです。

私に人殺しをさせたくなかったら、
この娘を殺してほしくないのなら、
人魚塚に案内せよ、と。

これが、登和の“ブラフ”だったのかどうか。
提示された物語だけではわかりませんねぇ……。
佐和が、見ず知らずの真魚の命乞いをするかどうか
確信はないわけですからねぇ。

佐和にしてみれば、
登和を斬首殺害するチャンスでもあります。

まだ死にたくない、長生きしたいのだ、という登和。
この辺りのくだりは再読の場合、ちょっとダルい。
復讐というプロットを隠したい意図があけすけで、
ちょっといやらしい感じがする。

一方その頃、湧太はないそこない犬と闘っていた。

箪笥にしまわれていた着物を武器にするのは
上手いなぁ、と思いました。
座敷牢では、登和が暮らしていたのですよね。
バトルシーンに、登和の幽閉イメージを
織り込んでくるのは深みがあってとてもいいです。

なりそこない犬を、銛で仕留めた湧太。
分厚い格子を貫いているが、すごい腕力である。


首を斬られるべく、縛り付けられた真魚
令和の高橋留美子氏の大ゴマ主義は
好きじゃないけど、この大ゴマは
「置かれた感じ」がすごく出てて効果的だなぁ。

「無…無理…」という椎名医師。

「今までのは…死人だったから…」
いや、それを言うなら
「今までは腕だったから…」だろ?
それとも経験済みなのか?


佐和さんは話した


というわけで今週はここまで。
次回はみんなで人魚塚にレッツゴー! であります。
来週もよろしくお願いします。


〈つづく〉
(続きの第6回はこちら