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ミレニアム世代との感性の違い

このところ、リメイク版アニメ「うる星」が
どういう作品になるのか、を考えている。

そしてそれがはたして面白いと思えるかどうかが、
僕にとって最大の関心ごとだ。


ふと思い立って、中学生の子供に
YouTube島崎俊郎
アダモステ」の動画を見せてみた。

見せたのは、アダモちゃんの部分だけを集めた
まとめ動画である。

本当はコントの前後を見せないと
アダモちゃんの“意外な登場”というところは
楽しめないかもしれないのだが。


結果として、
子供には全然喜ばれなかったし、
全く面白くないとのことだった。


ご存じの通り、
アダモステ”はかなり人気のあったネタである。
僕も当時、アダモちゃんの出たての頃は
何度か笑ったような気がする。

しかし今見直してみると、
懐かしさにすがった薄笑いや苦笑は出るが
面白い、楽しいという感情は出ない。
素直な形で笑えはしない。


僕が思うに、おそらくこれがイコール
リメイク版アニメ「うる星」における
「海が好き!!(どど~ん!)」ギャグなのである。


新「うる星」において
竜之介の親父が登場するならば
当然このギャグはやるだろう。
それを見た僕は、きっとニヤニヤするだろう。
ニコっとぐらいはするかもしれない。
あるいは苦笑するかもしれない。

「なるほど」と思うだろう。
「それはどうなの?」と思うかもしれない。
「違くね?」と眉根を寄せるかもしれない。

しかしおそらくたぶん、
どんなに作画が素晴らしくても
「海が好き!!(どど~ん!)」を
めちゃくちゃ面白い!と思うことはないだろう。

僕はそのギャグをすでに知っているからだ。


リメイクの宿命なのかもしれないが
昔のネタをそのままやるというのは
そういうことなのだ。


有名作品のリメイクという時点で
ある程度の古い客は確実に計算できる。

それらの顧客は「味にうるさい客」でありながらも
基本的に“ありがたい客”だ。

乱暴に言えば、
“お馴染みのこと”をやっておけば
それだけで喜んでくれる。


でもそれって本来の「面白さ」とは
ちょっと違うんじゃないだろうか。


「海が好き!!」は当時であれば
押しも押されもせぬ立派なギャグである。
not for me である可能性はあるが、
ギャグの一端を確実に担っている(いた)。

だが長い年月を経て、
全く変えずに出してくるならば
それは“リメイク”ではなく“再演”なのだ。


「出た、『海が好き』出た!!」

これって共感しているだけで、
面白がってはいないんじゃないの?


「うる星」ほどのIPともなれば
当然新規顧客の獲得も狙っているだろう。

そちらも満足させて、
ヒットさせなくてはならない。

だけど「うる星」全盛期からその世代までは
40年近い年月の開きがある。
若い視聴者を満足させる面白さを
リメイク版アニメ「うる星」は
提供することができるのだろうか。


もっとも、先に書いた“共感”という部分では
今の若い世代たちのほうが
むしろそれを楽しんでいるともいえる。
動画視聴における“弾幕”などはその表れである。

だがそれも、そのギャグが面白ければなのである。


「海が好き!!」は
若い世代に楽しんでもらえるだろうか。


若い世代に受け入れてもらえず、
昔の客には懐古的な消化しかしてもらえないのなら
無理することはないんじゃないか?


まぁ、「変えずにやれ」と
言われてるかもしれないし。
ビジネスのことは僕にはわからないけれどもね。



※よく考えたら「海が好き!!」のほうも
動画で子供に見せてみたらよかった。