ぼちぼちと更新していければ

(毎週土曜日中の更新を目指しています)









令和版「うる星やつら」PVに寄せて

先日、リメイクアニメ令和「うる星」の
新PVが公開されて、
またしても心が千々に乱れている。

僕は留美っく関係については
5ちゃんねるとか
Yahoo ニュースのコメント欄には
書き込まないと決めているのだが、
それらの閲覧はかなりするほうだ。

その、自分の思いを吐露することなく
人の意見を見るというのは
まるで著名人がエゴサーチをするかのような
苦しさがある(と思う)。

自分が関係者気取りとか、
古参気取りとか、そういうことは……
なくはないんだろうけどあまりなくて、
どちらかというと
自分の感じ方が、他人とずれていないか、
時代とずれていないか、
それが心配で心配で心が乱れるのだ。

特にリメイク版アニメ「うる星」については
自分の求める姿こそが正義、とは
僕はまったく思っていなくて、
商業的なところも気になるし、
原作に対する敬意や配慮も気になるし、
広いファン層(またファン予備軍)に対して
もっとも支持が大きくなるアプローチが
どういったものなのかも気になる。

わりと、制作者側の気持ちなのかもしれない。

正直に言うと、
自分が楽しみたいという感覚は
もう捨てているといってもいい。

今まで出てきた情報からし
「これは俺の『うる星』じゃないな」
という気持ちがあって、
しかしだから否定する、というのではなく
僕の嗜好との合致度 50% の作品として、
拝見しようという感じなのである。

アニメーションの出来が良ければ
自分の好みと違っていても
別のベクトルで楽しめることでもあるし。

ただ、好みと出来が揃って初めて
“きゅんきゅん”できるというのも本当のことで、
だから自分の大好物である
「うる星」という題材でありながら、
おそらく“きゅんきゅん”できないだろう、
というのは実に残念なことである。

およそ半世紀に一度のことだろうしね。

もしかしたら次に「らんま」がリメイクとか
あるかもしれないけれども、
それでは満たされないことであって、
当の「うる星」が、将来再びリメイクされる頃には
僕はもう生きてはいまい。

だから作品と自らは本質的に“一期一会”であって、
そこがドンピシャなことは
とてもラッキーなことだと思う。

今度のリメイク版令和「うる星」が
ドンピシャにハマる人も少なからずいるだろう。

その人たちはとてもラッキーだと思うし
その幸せを噛みしめてほしい、と
裏表なく思う。


そんなこんなは前置きです。

今回のPVを見ての感想だが、
あたるという主役の男子高校生に
・ふてぶてしさ
・たくましさ
・タフさ
・バイタリティ
・生命力
といった要素が入れられていないように
僕は感じた。

例えば電撃を受けても次の瞬間には復活する、
それはタフさの表現かというと
そうではないと僕は思うのだ。

学校の成績が良くないこと、裕福でないこと、
見た目が冴えないこと、
大人から子供扱いされること、
常識的であることを強要されること。
そう言ったことに反発し、反骨心を持つことが
バイタリティだと思うのだが、
今回のPVのあたるからは
そういう雰囲気を感じられない。

「何くそ」「今に見ていろ」「なめるなよ」
そういう台詞が、
今回のあたるには合わなさそうなのである。


強調しておきたいのは
今回のあたるにはバイタリティが「足りない」と
言っているのではないということだ。

「足りない」=「それじゃだめだ」と
言うつもりはない。

今回のあたるにはバイタリティが感じられない、
なるほどな。
とそういうことなのだ。


僕が「俺たちの『うる星』」なんていうのは
おこがましいし、
制作はプロだし、
制作陣の上のほうはたぶん同年代だし。

その人たちが考えてそうしているのだから
そういうことってことだよな、と。


そういうのを若い人から
「つまらない考え方」と言われたら
返す言葉もない。
今はその若い子たちの時代であって、
僕たちの時代ではないから、
若い人たちの考えが光るべきだ。

若い人たちの中に
新しい「うる星」ファンが生まれて、
その人たちが“きゅんきゅん”する作品に
なればいいなと思う。

制作の方たちには、
僕らのような古い人のほうは見ずに、
若い人の方を向いて作品を作ってほしい、
本当にそう思います。
がんばってくださいね。