ラムの故郷の鬼族たちは
戦闘民族だと僕は思っています。
鬼の星での節分イベントにおける彼らは
いかにも“戦士”という感じでありますし
(1-8 いい日旅立ち)
(7-9 鬼に豆鉄砲)
地球人を荒っぽいとは言っているけど
(34-4 ハートのignition)
いざという時には部族の者たちは軍人となるし
(1-1 かけめぐる青春)
そもそも彼らは“侵略者”であります。
ラムにしたところで、
(23-1 勇気ある決闘)
腕力はなくったって別にそんなことは関係なく、
超能力と科学力をもって
好戦的な性質を露わにしている描写は
枚挙にいとまがありません。
(3-5 トラブルは舞い降りた!!)
(7-9 鬼に豆鉄砲)
(26-1 節分危機一豆)
そんなラムですが、シリーズの中では
絶体絶命のピンチに何度もあっています。
しかしいいですか、
ラムはあたるに「助けて」とは言わないのです。
(20-11 魔境!戦慄の密林)
この「たすけて」はしのぶの台詞。
(23-9 ザ・障害物水泳大会)
(25-2 夢で逢えたら)
(29-3 電飾の魔境)
(29-4 電飾の魔境)
『電飾の魔境』のこれらなんて、
ほぼ「助けて」と言っているようなもんなんだけど
どう見ても作為的に避けている。
(34-2 嫁に来ないか)
『ボーイ ミーツ ガール』編の
あたるの夢における
ラムの「とめて。」という台詞は
「ラムは『助けて』とは言わない」、と
あたるが認識している表れです。
作者・高橋留美子氏の、
何が何でもラムに「助けて」とは言わせない、
という意思も感じます。
(余談ですが、「とめて。」の「。(読点)」は
吐き気がするほどサディスティック(猟奇的)だと
僕は感じます。わかってくれる人いるかな?)
まぁ、『うる星やつら』全編を通して
絶対言ってないか、というと
実は何度か「助けて」と言っていて、
(1-7 憎みきれないろくでなし)
(3-2 ディスコ・インフェルノ)
しかしこれらはおねだりだったり
構ってくれという甘えだったりするので
カウントしなくていいでしょう。
危機レベルとしては
(2-6 幸せの黄色いリボン)
このセクハラと似たような感じかな。
そりゃもちろん、内心では
助けてほしいと思っているのは明らかで
(29-4 電飾の魔境)
あたるには直接言わないまでも
真吾にははっきり言ってしまったりしています。
ただ、あたるには言えないんですよ、
「助けて」って。
『ボーイ ミーツ ガール』編において
(34-7 ねじれたハートで)
ラムが「こわい思いをした」というのは
皮肉や煽りもあるでしょうけど
まぁだいたい本心でしょう。
それでも、そんな時でも、
ラムは「助けて」って言えない。
(34-7 ねじれたハートで)
「なに ぼけっと……」ではなくて
命令調でもなんでもいいから
「助けて」「助けろ」と言えばいい。
でも言わない。
あきらかに、作者が言わしてない。
汲もうよ。汲み取ろうよ。
前にも言ったけどさ。
劇場版「うる星やつら 完結篇」レビューその2
〈おしまい〉