『うる星』において、がめついと言われているのは
おそらく満場一致でおユキだと思われます。
ですが“小金(こがね)”に意地汚さをみせるのは
ランのほうが上なんじゃないですかねー。
なんというか、おユキが小切手などの
キャッシュレス決済しているのに比べて、
ランは小額紙幣や硬貨の混じった金を
かき集めている感じがする。
いわゆる“取り引き”に関して
シビアなのがおユキ、ルーズなのがラン、
という感じがしますなぁ。
というわけで今週は『うる星』から
『非道なる商売人』(24-1)をレビューします。

……この「お金を貸してほしいの。」の画像を
サムネで使っただけで、今週のブログの目的は
七割がた達成したようなものですわ。
扉絵はこちら。

本編の内容やオチとは
およそ結びつかないランの笑顔は
ミスリード誘発ということでしょうか。
『非道なる~』というタイトルよりも
『~商売繁盛記』みたいなのが似合いそうです。

原資もないのに貢ぐ約束をしてしまうランちゃん。
アカン奴や…。

美形のレイの出番はこの一コマだけ。
もうちょっと出してあげても、と思うけれども
なにせほとんど喋れないからな~。
アクションが絡まないシーンでは使いづらそう。

ランにお金を貸してほしいと言われて断るラム。
このセリフのインパクトは大きく、
これだけで彼女のこのエピソードでの役割は
終わったようなもんです。
まぁ実際、この後のラムは
相槌マシーン程度にしか働いてないですし。
それにしてもラムが貧乏とはね。
雷エネルギーはどうした雷エネルギーは。

いかにもめんどくさそうにランをあしらうラム。
完全に漫才になっていてとても良いです。
アニメ版171話の
『春らんまん!?おユキのカゼで氷づけ!!』では
ここのくだりの良さは半減でしたなぁ…。
放映時期に合わせて、夏じゃなく春でしたしね。

ラムを働かせてしまおうというランの謀略。
ラムのセリフが、同意になっているのが上質です。

映画館の看板を見て、
おユキを利用することを思い付くラン。
しかしこの美人画の『雪女』の看板は
ひねりがなく、そのまま過ぎて
おユキに繋げるにはイマイチですな。
もっとこう「えっそれでおユキを連想する?」
みたいな感じが良かったなぁ。

ラムの手を引っ張っておユキの元へ駆け出すラン。
これは意外な一コマであります。
入道雲もなにやらイラスト的ですし
はためくサマードレスの裾もフェティッシュで、
ちょっと“いいコマ”ですね。

おユキとの会話に夢中になって、
無意識に弁天を押しのけるラン。
そしてムカつきながらも受け入れる弁天。
このさりげない関係が、幼馴染って感じがします。

お金を必要とする理由を話すラン。
おっ、なんやなんや、
シャンパンでも開けさせられたか?


見世物小屋の中の出し物は
おユキが寒風をひと吹きするだけだった。
“ちょんの間”にもほどがある。

まぁ1回百円ですから、
今どきの“投げ銭”よりもだいぶ安うおます。

迷惑をかけたテキヤに取り囲まれて泣きが入るラン。
そういえば“若さの吸い取り攻撃”なんてのも
ありましたがどうなんでしょうねぇ。
見たところ、男衆ばっかりのようですが。

債権者を凍らせて自分を逃がしてくれるように
おユキに頼むラン。なんてひどい奴なんだ。
『うる星時空』だからいいようなものの…。

ランの頼みを引き受けておいて、
逆にランにお仕置きをするおユキ。
これはちょっとレトリック的にはスベってるなぁ。
オチを仕上げるのがめんどくさくなった感がある。
おユキが売り上げ金の包みを抱えていることから
タイトルの『非道なる商売人』は
おユキにかかっているのだと思うけれども、
人非人なのはランだよなぁ。
いわゆるナンセンスギャグ漫画において
お金を騙し取る、っていうのが
笑いだけで昇華できる漫画と
ちょっと後味が悪くなる漫画があって、
それは報いを受ける・受けないだけでは
ないような気がします。
このエピソードでいうと
ランちゃんは普段からそういう目で見られているし
最後には報いを受けているんだけど、
なんかちょっと笑えない部分が残る気がする。
例えばあたるが同じことをしたら
笑えると思うんですよ。
あたるがやったなら、
彼が執着するのは概念としてのお金というか
紙幣や貨幣、あるいは金塊そのものなので
ギャグと捉えやすいんですが、
ランちゃんの場合は
お金の先に、レイとのデート代などの目的が見えて。
そういうことには、キレイなお金を使いなよ…、と
思ってしまうのかもしれません。
ランちゃんはその出自がちょっと“いたいけ”だし、
あんまり落ちぶれてほしくない、ってのも
あるのかもしれないなぁ。
まぁあんまり無茶はしない方がいいよね。
〈おしまい〉