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うる星やつら「馬と令嬢」レビュー

webにアクセスしている人なら
だいたいご存じだと思うけれども、
ウマ娘」というソーシャルゲームが流行っていて、
御多分に漏れず僕もやっている。

とはいえ1回のプレイ時間が結構長くて、
平日は育成を一周やるのが関の山だ。
ストーリーのテキストを読んでいると
みるみる睡眠時間が減るので
スキップしまくっているのだが、
楽しめているんだか楽しめていないんだか
よくわからない状態となっている。

競馬は一の瀬さんの旦那さん辺りがやってたっけか、
いや失職はしていても
ギャンブルはやってないっけか、
ちょっと忘れちゃったなぁ。
坂本なんかはやってたかもしれないけどなぁ。

「めぞん」では“パチンコ”のイメージが強いけど
駅から商店街を通って一刻館、という
生活圏を舞台にしていたから、
パチンコがすごくフィットしていたのだろう。

競馬場や競輪場、競艇場だと
わざわざ行ってる感というか、
ギャンブルにハマっちゃってる感を
払しょく出来ないもんねぇ。

その辺はビッグコミックとかオリジナルとかが
担うのかな、と思ったりしたけど、
なぜか笑介」辺りなら
そういう場末感も普通にあったように思う。
「瑠璃色ゼネレーション」とかもな…。

つうか今のスピリッツって、
ああいうサラリーマンの悲哀的な漫画は
載ってるのかな。
職業漫画はそれなりにありそうだけど
社畜のペーソス感のある漫画は
載ってないような気もするなー。


なんか話がずれてしまったけど
「うる星」にも確か
ウマがネタのエピソードがあったよなー、
何だったかなー、
なんか馬鹿ヅラの馬が暴れる、
すごくどうでもいいエピソードだったなー、と
考えながら探したら、
最終巻のすぐ前の巻だったのですぐ見つかった。

33-1「馬と令嬢」である。
ちゃんと読み返すのは30年以上ぶりだ。
まさかこのエピソードのレビューを
書く日が来るとは。

結論からいうと
あまり面白いエピソードではない。
33巻のトップでありながら
表紙・裏表紙・折り返し・中表紙の
どこにも関連イラストがない時点で
制作側からも評価が低いことが伺える。

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表紙はサクラさんだが、
作中には出てこない帽子を被っている。
「令嬢」とサクラのコンビネーション、
というわけだが特に意味はなさそうだ。

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というか、この時代に
その概念があったかどうかは知らんが、
要は水着回ですよね?
んで、翌週がお風呂回(「愛と勇気の花一輪」)

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なあたり、なんちゅーかもう、
という感じではある。

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まずは錯乱坊で掴みに来るが、
「のー。」はちょっと面白い。
「のぅ…!!」じゃなくて「のー。」の
「。」がいいのだ。
吾妻ひでおのような独特の空気感がある。

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サーフボードで乗り付けるのは

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由緒正しい設定である。

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令嬢は50年前に車に乗って行ってしまった。
当時昭和11年である。
トヨタ自動車日産自動車の前身が
もう設立されていた頃なので
時代考証的には正しいのが驚きだ。

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魂魄て。
初めて聞いた言葉だったが
特に覚える気にもならない言葉だった。
サクラさんのキャラ付けかな。

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鞘を描く意味とは。

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この、アオが前足でサクラを抱きしめたのは、
いろいろ振っ切ったなぁと。
有りか無しかと言われたら有りである。

だが、3人抱えた状態を見てのあたるのセリフ、

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からの「令嬢への未練」

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はちょっと無理がある。

もっとも、このエピソードは
ギャグのテンポに特化したようであり、
例えばここの

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サクラとしのぶのぶん投げは、
ナンセンスギャグの運びそのものだったりするので
もはや展開の破綻などどーでもいい、の
域に達してしまっているのかもしれない。

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そういった、無茶苦茶さを楽しむ、という
観点からいうと、このアオの白刃取りは
結構面白い。

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突拍子もない。
でもいいのだ。そういう回だから。

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だが、ここは苦しい。
仲の良かった令嬢が
歳をとっていたからといって、
なぜ、アオが驚き、拒絶するのか。

ほんとに詰め切れてない、
どうにも言葉に困るエピソードだ。

この婆さんの顔がオチということかもしれないが
オチと呼べるほどのもんでもない、というのが
正直なところである。
もうちょっとストーリーの妙味のほうへ
振っていれば、面白くなったような気も
するのだけれど。

もう、「ボーイミーツガール」編に
取り掛かろうとする時期でもあっただろうし、
多少はね。   〈おしまい〉