ぼちぼちと更新していければ

(毎週土曜日中の更新を目指しています)









好きのかたちはそれぞれ…友引高校校長のはなし(2024.3.18追記しました)


2023年も押し詰まって、
そろそろアレが気になってきました。
コミケが近いこともあって
SNSでもそっちの発信量が
増えてきているようですしね。

そんなこともあって
コンテンツが
僕自身に何をもたらしてくれるのか
つらつら考えている今日この頃なのですが、
考えてみれば
大好きな昭和『うる星』にしたって
ディーン期の終盤は見ていなかったぐらいだし、
原作『うる星』にしても
あまりにもマンネリなエピソードは存在してて。

だからまぁ、
原作『うる星やつら』が好きだといっても
その全てのエピソードを愛しているわけではなくて、
中にはサンデーで読んで嘆息をついてそれっきり、
みたいなエピソードも多々あります。

コミックスはもちろん買うわけですけど
サンデーでつまらなかったエピソードは
読み返すこともせず。

ファンだからといって
その全てを擁護したりはしないし、
一話読み切り形式の長期連載漫画の場合
そうなっても当たり前なんじゃないかと思います。


ただ漫画の場合は
作画やキャラに惹かれることなどもあり、
例えばストーリーやオチがどんなにつまらなくても
途中に挟まれたキャラの仕草がよかったりすると、
ほんの少しは楽しめたりたりもする。

あるいは、どんなにダメでも
継続している、存在しているだけでありがたい、
なんてことも
一部の消費者層にはあるのかもしれません。


まぁ、お笑い芸人の好みが千差万別なように
面白さの基準は人それぞれですし
自分に合わないからといって
他のひとにも合わないとは限らない。

だから面白さについて批評するのは
すごくリスクがありますが……。


今週は友引高校の校長先生の話でもしましょうか。


校長が初めて登場したのは

『個人教授』(6-2)だったと思います。

(2024.3.18追記 校長の初登場は
3-7『春のうららの落第教室』ではないかという
ご指摘を tekuno0260 さんからいただきました。


これはまったくその通りでした、
いつもアドバイスをしてくださって
ありがとうございます!)

少し前に地球侵略を企てていた異星の長の娘を
転入させるとあって、
そりゃ校長が対応しますわな。
校長はここでは一般人らしく振舞ってますし。

少し個性を出してきたのは

『部外者ちん入』(12-5)。
温泉マークとのやり取りで、
なかなかいい演技を見せています。
生徒以外で温泉マークが絡む相手は
サクラさんぐらいしかいなかったので、
校長を動かすことで、大人の生活シーンを
入れやすくなったのではないでしょうか。


『うちらの節分 ケンカ祭りだっちゃ!!』(16-11)
この辺りから、校長は自ら積極的に
闖入してくるようになってきます。

そもそも校長という役どころの人って
さほど学内見回りなんてしないでしょう?
小うるさい教頭、副校長ならともかく。
校長という概念に対する距離感が
ちょっと違う気がするんですよね。


エピソードのオチとして、
校長が生徒の前で何かを宣言する、という
パターンのはしりがこの

『埋没教室!!』(17-5)ですね。
もっともこの回では無理矢理ダジャレに
持っていくようなこともなく、
校長としてその職務を果たしただけであります。

サンデーコミックス全34巻の
後ろ半分の始まりにあたる第18巻には
あの『ミス友引コンテスト』が掲載されています。
本編については女性キャラ陣の各種サービスが
充実していたこともあり、お祭りとしては
そこそこ楽しめるエピソードでしたが、
ここでの校長の登場は

こういう唐突なものであり、
そしてのちのち定番となる
約束の誤魔化しパターンへと続いていきます。


すっとぼけという行動は確かに校長にうってつけで、
学校の最高権力者でありながら
あたるたちの敵でも味方でもなくて、
なんとなく有耶無耶にせざるを得ないような、
ホントに彼にぴったりな役どころです。

しかしそれは彼が
校長然としている場合の話であって。

校長がだんだんあたるたちに染まっていき、
“ヘンなやつら”のうちの一人となってしまうと
彼の強権発動が“ずるく”見えてきます。

彼は基本的に罰を受けない、制裁されない。
それは一般人のモブだから許されるのであって、
大人でありながら「タコじゃないもん」
などと口走るようならば


『哀愁の幼年期・サクラ』(19-8)
もはや、エピソードの面白さについて
定量の責任を持つべきなのです。

『シェイプアップ・羽付き』(21-2)

『ザ・障害物水泳大会』(23-8,9)

『モチ争奪校長胸像杯』(25-7)

『十年目の真実』(27-8)

『校長殴打事件』(29-11)

オチに関わっているものを並べてみましたが、
馬鹿馬鹿しさ、低レベルさでいうと
面堂家のイベントやラムの新アイテムなど、
これらに並ぶエピソードもあるんですよね。

でも校長エピソードがすごく印象に残るのは、
本来 校長は学校に付随するものであり
温泉マークやあるいはサクラなど、
教師陣の引き立て役であるべきなのに、
直接自分自身が
生徒たちとコミュニケーションをとろうとするなど、
変に出張ってくる印象が強いから、
なような気がします。

生徒たちと近いのは温泉マークや花和先生のはずで
彼らの役どころを奪ってまで
校長がストーリーに関わってくる必要はない。
そういうところが
印象を悪くしている気がするのです。

自分の居場所を貪欲に広げようとして
かつオチがそれかい、と。

スベり笑いのつもりかもしれませんが
本人が傷付いている素振りがないのがまた
不興を買っているような。


もっとも校長は
タツ猫を自分の傍に置くことで、
特定層の人気を獲得してる気もするんですよねぇ。

あっ、なんだかそれって
「ねこに転生したおじさん。」的な?



って、こういう強引なオチのつけ方こそ
まさに校長のやり方。

〈おしまい〉