ぼちぼちと更新していければ

(毎週土曜日中の更新を目指しています)









RML追記


RMLのキャッチコピーは
「愛は運命に勝てるのか!?」ですが
運命とは何でしょう?


ルウは過去に干渉して、
ラムとあたるの人生を変えようとします。
しかし実は、既に起こったことを
変えようとはしていません(騒動の最中は)。

過去にタイムトラベルしてラムをストーキングして、
あたるとの仲を引き裂こうとしますが
起きた結果を変えているわけではないので
それらは正史です。

正史は、“変えられない運命”と言えましょう。


これを先ほどのコピーに当てはめるならば
「愛は運命に勝てるのか!?」はすなわち
「ラムとあたるは愛を維持できるのか!?」
というのと同義です。

アホみたいなコピーですよね。

しかも映画本編では、
いったん 双方向の愛を失ってるし
(あたるがラムを一度忘れたことを指しています)。


ルウは、事件の最後に
時間を戻して人々の記憶を消します。

ルウがタイムリープして
歴史を改変したならともかく、ルウAは
(ラーラと共に)観測者になっていますから、
メルヘンランドOPEN前日に時間を戻したって
翌日になれば
AD2267年からやってきたルウBが
マジシャンとなってあたるをカバに
変えてしまいます。

そしてもう一度、RMLの騒動を繰り返す。



これを阻止するためには
ルウがリーディング・シュタイナー的に、
記憶をとどめたまま過去の自分と合体しに
行かないとならないのですが、
RMLではその辺の仕掛けはされていません。


まぁ、映画の意図としては
メルヘンランドには
もうルウは来ないんでしょうけど。


この、
タイムパラドックスが起きない不具合”もまた、
RMLがちょっと軽薄に感じられる要因かも
しれません。


……ただもしかしたら、私たちに見えないところで
ルウはもう千回、
過去改変にチャレンジしているかもしれません。
運命に抗おうとして。

もしそうならば、
「(ルウの)愛は運命に勝てるのか!?」であり、
やっぱり運命には勝てなかった、けれどという
少年の成長物語と受け止めることは可能です。

まぁそれはたぶん買いかぶり過ぎですが。




もう一つ。
RMLの重要なキーワードである“赤い糸”ですが
最後のラブシーンではあたるの指から、
何本もの赤い糸が伸びているというオチが
付けられています。

運命の男女一組を繋ぐのが赤い糸であって、
それが何本も伸びているのは
赤い糸の価値を毀損しています。

そしてその程度の赤い糸が、
ラムとあたるを巡り会わさせる力を
持っているとは思えない。

実に安っぽいですねぇ。
あのオチはやめたほうがよかった。

まぁ好意的に考えれば
缶ジュースのプルトップで怪我をした時の
一筋の血こそがあたるの本当の赤い糸である、と
言ってもいいんだけれど、
異次元空間でラムが辿った赤い糸とは
ちょっと乖離があるしな、と思います。


BDの後だから
プレッシャーがあったのかもしれないけど、
やっぱね、いろいろ詰め込み過ぎですよ。

〈おしまい〉